ダービーグランプリ参戦騎手の話 | 金沢競馬担当日記

金沢競馬担当日記

金沢競馬のレース実況を担当するアナウンサーが、金沢競馬に関するあれこれをつづります。

先週月曜日(11月24日)、水沢競馬場でおこなわれた、地方全国交流のダービーグランプリ。金沢からは、ケージーキンカメと、3名の騎手が参戦しました。


優勝したのは川崎のドラゴンエアル。手綱をとったのは、金沢の吉原寛人騎手。

ケージーキンカメは4着。騎乗したのは青柳正義騎手。

そして、高知から参戦したクロスオーバーには、畑中信司騎手が騎乗しました。


他地区でおこなわれる重賞に、3名もの騎手が遠征するのは、非常にめずらしいことです。今年の金沢競馬は、こうして、他地区へ遠征して活躍する騎手や馬の話題が豊富です。何か、金沢競馬がひとつ、新しい時代を迎えたのではないかと思ったりもするのですが、どうでしょうか。



ダービーグランプリに参戦した3名のジョッキーに話を聞きました。



クロスオーバーの畑中騎手は、


「逃げんでもよかったんやけど、逃げたらラクなペースで逃げられるかもしれへんな、っていうメンバーやったんで。どうせ強いの、吉原くんの馬やし(笑)。南関東の馬も、後ろから行く馬ばっかしみたいやったんで、もう新幹線の中から逃げようって。単騎で逃げてやろうって、そればっかし(笑)。


クロスオーバーは、タフですね、ホントに。あんだけ輸送して、レースでも力出しますからね。だいぶん、幼さが抜けた感じっすね。。まだまだ良くなると思うんですけどね。今のうちに、けっこうこんな厳しいレースに行ってるんで、牝馬同士なら、このあともいいんじゃないかと思うんですけどね。


高知から声がかかるのは、ありがたいことです、ホントに。

別府先生は、クロスオーバーに、ホンマは全部乗せたいらしいんですけど、ルールで限られてくるんですよね。東海と岩手くらいに。南関東も園田も、佐賀も、他地区の馬によその騎手が乗れないルールなんです(注:下に解説)」



[注]「他地区の馬によその騎手が乗れない」とは、たとえば、南関東地区でおこなわれる重賞競走に、高知から遠征する馬には、高知所属騎手か南関東所属騎手しか騎乗できない、というルールで、こうしたルールは主催者ごとに決められているため、地区によって対応が違ってくるのです。

畑中騎手の話をもとにすると、南関東、兵庫、佐賀にはそういうルールがあるようです。

なお、畑中騎手は、佐賀の花吹雪賞をクロスオーバーに騎乗して優勝していますが、このときは、高知の所属騎手ということになっていました。



「こんどの冬も、また1月から高知に所属します。別府先生、ボクのこと大好きやから(笑)。ボクも先生のこと好きですよ。あんまり乗り方の注文とかも出さないし、好きに乗ってええよ、って言ってくれるんで。

高知、楽しいですよ。レースも楽しいし、カツオもおいしいし。栗焼酎おいしいし。

なあ、高知、面白いよなあ」


と、ちょうど通りかかった吉原騎手に声をかける畑中騎手。「最高や」と答える吉原騎手。

せっかくなので、ツーショットの写真をお願いしました。





畑中吉原141130-2

一度撮影した写真が気に入らず、勝負服を着なおして、あらためての撮影。どこまでも明るい畑中騎手と吉原騎手です。



ケージーキンカメに騎乗した青柳騎手にも話を聞くことができました。


「力の差を見せつけられたかな、って感じですね。

北國王冠が思った以上のデキで、その流れってわけじゃないですけど、けっこうそれなりに状態は良かったんですよ。力は出せてますね、出せてるハズです。

岐阜金賞は、出っぱなにつまずいちゃったらしくて、それで後方に置かれてしまったんでね。小回りの笠松やったし、後ろだとなかなかね。あそこまで詰めてくるのが精一杯でしょうね。

今回、離されましたけど、それでも7月のジャパンダートダービーのこと考えたら縮まったかな、と。

北國王冠の前に、久々にまたがって、以前はちょっと線の細いとこあったんですけど、ガシっとしてきたんでね、馬的に幅が出てきたんで、おお!成長したなあって。


北國王冠は、力で相手をねじふせた感じだったんで、良かったですね。たぶん、あと、中日杯使って、そのあと一服するっていう話もあるんで、一服すればまた成長するでしょうし、もっと強い相手ともやれるでしょう。ここまできたらね、よその馬が強いとか言ってられないんでね。交流勝ってナンボですしね。


自分も、あちこちいけるのは楽しいですよ。移動は、疲れるのは疲れますけど、いろんなひとと会えるし、いろんなひとと乗れるしね。


冬は、まだ細かいこと決まってないですけど、佐賀に行くかな?と。冬季の交流しようか、みたいな話があるらしいんですよ。どういうシステムで行くか、今はまだわからないですけど、とにかく遠征の方向で。どこかここかで、乗ってると思いますよ」


青柳騎手は、今年の成績については、「数字が全然足らないですね。物足りない」といいながらも、大きな重賞を勝てたことでさらに自信を強く持つようになったようです。

遠征を「楽しい」と表現できるのも、その自信と余裕のあらわれなのではないでしょうか。



日曜におこなわれた、重賞・金沢ヤングチャンピオンについては、また後ほどアップする予定です。しばらくお待ちください。