●昨日は15億の設計事務所、今日は3億の会計事務所にお邪魔しましたが、どちらも似た課題を持っています。
従業員は20名~30名規模で、関与先も多く仕事はたくさんあるのですが、一方で内部体制が極端に遅れています。
資格業では、事務所があるレベルまで成長すると、マネジメント(組織)の問題が浮上してきます。
所長の片腕がいない=所長一人が頑張るのみ
担当者によりサービスが異なる=事務所サービスにバラツキが生じる
人が定着しない=せっかく教えても、また一から採用そして育成
クレームが増え始める=信じられない凡ミスが発生
などなど人に関わる問題が浮上します。
●実務に追われるあまり、「組織」を考えてこなかった「成れの果て」とでも言うのでしょうか。
私はいつも、士業の経営者に「実務と経営のバランス」の重要性をしつこい程に伝えます。
零細事務所の場合はマネジメントよりもマーケティング中心でいいのです。
とにかく売上を向上させ、軌道に乗せることに命をかけます。
しかし、6~10名の段階に差し掛かったくらいから、経営は「マーケティング7:マネジメント3」で考えていくのが理想です。
この段階をマネジメント1程度で成長を続けると、先程の事務所のようになります。
このようになってから、ある段階でいざ改善!となっても、ゼロからのスタートなので、想像以上に骨が折れます。
●所長の顔が見えて、所長の声が社員に届き、所長の思いをみな知っている小集団での経営をよく、インディアンの部落に喩えて、インディアン経営と言います。
士業では6名~10名まではこれでいけます。
しかし、これを越えた時点で事態は一遍します。
つまり、トップがどんなに大きな声を張り上げても、全社員に声が届くかなくなる瞬間。
しゃべっている最中に、遠い方ではよそ見をしたり、聞いてなかったり・・・・。インディアン経営の終焉です。
それにも気付かずにどんどん売上だけを見て拡大を続けてしまっては、本当に大事にしなければならない「ウチらしさ」がなくなってしまうのです。
●もし、あなたの事務所がこの6名~10名事務所であれば、今日からでも組織に意識を向け、組織論の勉強を始めてください。
この段階から手をつけていれば、一気に拡大ができます。