革命前夜 終身 Dead or End 編 | 事件少女

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最近小説を読む事があり「なんでこうなった?」と疑問に思った事や著者からテレパシーで受け取ったかもしれない事を、なんとなく書いて行こうかと思いました私は、はい。

それから数日後・・・

私は学校が休みの日に電車に乗って、東京都港区にある株式会社アップフロントエージェンシーの前まで来た。そして玄関から出入りする人すべてに 「ハロプロのフリ付け師の人ですよね、ファンなんですサインください」 とカマをかけていった。ほとんどの人が迷惑そうな顔をしたが、恥ずかしいと言う言葉は呑み込んだ。私は諦めるワケにはいかなかった。やがて時がたち、午後19時をまわっていた。やはりダメかとため息をついた時、37人目に声をかけた人から有力な情報を得ることが出来た。ハロのフリ付け師はいま地方に行っていて、明日この事務所に顔を出しに来るらしい。名前もちゃんと聞き出した。

私のケータイは通話のみでネットに繋げない為、ここから1番近い漫画喫茶を探し、その店内に入った。所々ペンキの剥がれた外観が気になっていたが、内装も女性をターゲットにしてはいなかった。古本とカビが混ざったような匂いがした。しかし時間も時間なので、この際妥協した。カウンターで20代くらいのフリーターらしき男性が対応してくれた。説明を受けるとここは漫画だけを読む部屋と、ネットも見れる部屋の2タイプがあることを教えてくれた。私は今から明日の朝8時までだと値段がいくらになるのか聴いてみた。

 「90分400円ですので、今から明日の8時でしたら3200円になります」

私は手提げバッグから財布を取り出し中身を確認した。大丈夫。お年玉の残りがあった。

 「あっ じゃあ インターネットが出来る部屋でお願いします」

店員に指示を受けた部屋に行く前に、私は紙コップの中に炭酸ジュースを入れてくれる機械のボタンを押した。この店の料金システムは時間制なので飲み物はフリードリンクになっている。

自分の借りた部屋に入ると、そこは2畳ほどの空間だった。中央に木製の机が置いてあり、その上にパソコンが乗っていた。両隣にも部屋があり、厚い木の板で仕切られてはいるが、下10cm、上30cmだけ木の板はなく、繋がっていた。隣の人の迷惑になるのであまり大きな音は出せそうもなかった。

私はジュースを1口飲んだ後、すぐにネットを立ち上げた。そして検索エンジンで振り付け師の名前を書き込んだ。すると画像がいくつか出てきた。ついに見えない目標を捕らえたと思った。私の神経が研ぎ澄まされたような気がした。これ以上私の大好きなスマやハロを汚されるワケにはいかなかった。

第1の殺人は紗季ちゃんだった。第2の殺人はゆうかりん。なんとしても第3の事件は防がなければならないと思った。あやちょが殺されればスマの生命が尽きる事を私は知っていた。

デスノートによると、相手の本名と顔を知ることが出来ればそのルールが適用されることになっていたが、私は自分の眼の前でそれが実際起こるのか確認してみたかった。

気がつくともう22時を過ぎていた。明日のために少しでも寝ておこうと思った。自分の部屋の電気を消してみたが、両隣にある部屋の明かりが10cmと30cmの隙間から容赦なく注がれ私の睡眠を妨害した。それでも眼を閉じてみた。イスに座った状態だとやはり眠れないので床に寝転んでみると、綿ボコリのような物が沢山見えた。私は着ていた上着を口まで持って行き、マスクの代わりとした。足はまったく伸ばせなかった。色々体制を変えて試した結果、ボールのように丸まった形でなんとか落ち着いた。

床にハンカチを置いて枕とした。そこに私の左耳を付けた。横向きの状態だ。すると、10cmの隙間から隣の部屋が見え、何かの本が置いてあった。眼を細めて良く見てみると、デスノートと言うタイトルの漫画本だった。私が拾ったノートと同じ名前だったのでビックリした。

私は今夜が革命前夜だと思った。そしてこれは偶然なのではなく、必然なのだと自分に言い聞かせた。サクリファイスの意味に酔いしれた。 「待っててね、あやちょ。今助けるからね。もうすぐだからね。」 心の中でそう固く誓うと、嫌がる娘が新曲で股間を開かされた場面も脳内をよぎった。何も悪いことをしていないのに、何であんな事をされなければならないのか、性行為の対象としてお金を儲けようとする事務所に対し、悲しくて、悔しくて!涙が流れ、眼は充血した。

明日になれば私の手は汚れ、眼は濁り、心臓は腐っているだろう。日本人は自分の為に生まれたんじゃなく、誰かの為に生きているんだと確信している。私はつや消しの笑顔で微笑んだまま、静かに眼を閉じ、震えて寝た。覚悟は決まった。


私の左手にはノートの切れ端が強く握り締められていた・・・




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