「夜這いの民俗学・夜這いの性愛学」 赤松啓介 | 共同合宿所

「夜這いの民俗学・夜這いの性愛学」 赤松啓介

日本もかつてはスゥエーデンもびっくり、こんなにおおらかなフリーセックスの文化があったとは・・!

1902年生まれの著者のエロジジイ・・・ではない、赤松氏による、自分の体験+フィールドワークによる書である。


かつてムラでは夜這いという風習が当たり前にあって、ムラの中だけでなく、別のムラに出向いて、その日限りのセックスを楽しんでいたのだ。もちろん、女性が出向くこともある。

数人集まって、くじ引きで相手を決めて行う、というのはよくあるルールだった。(くじ引きで決まったら相手を変えることはできない)。

どこの家でも、子供が13歳ぐらいになると、親は、「筆おろし」と「水揚げ」を信頼のある大人に(要はおっちゃん、おばちゃんだ)任せるのだという。そうやって性教育を実地で教えるのだ。

もちろん、筆おろし、水揚げ以降も、何度も何度も大人にセックスを教わるのだ。そして大人も若者とのセックスを楽しむ。

何も、後家さんだけでない。妻は夫の居ない留守に、若者を狙いうちしていたようだ。

男の子は、同じ世代の女の子や、おばちゃんにとっつかまって、おちんちんの皮をむかれていたそうだ(夫いわく、痛いんだってね)。

ここには、セクハラなんちゅう概念はない!


近代化の波、教育勅語型一夫一婦制の導入により、夜這いの文化も徐々に崩壊していくが、都市圏でも昭和のはじめぐらいまでは、市場の商店街でも同じような夜這いが続いたそうだ。(丁稚や女中などが年季奉公で住み込みであったことも影響した)。


赤松氏いわく、「性交をさせない、性教育などかえって危険である。いまの小学生の「性知識教育」で、あんあものは教えないほうがまだよい。(中略。)余計な知恵をつけるだけで成年式の20まで性交禁止をするなど、どんな根性しているかわからん」

「ムラの夜這い民族などきわめて健全であり、、かつ健康であるというほかはなかった。こんな世界(遊郭)を残しておいて、国民道徳だの、純潔教育だの、一夫一婦制だのといってみてもしょうがない。あんまり笑わせないでくれよといいたくなる」

だそうだ。

赤松氏は、週1回ぐらいのペースで夜這いをしていたそうです(それが限度だったらしい)。


ご一読されたし。


確かに、一夫一婦制やキリスト強的倫理観により、純潔、処女という新しい性道徳概念が生まれ、そして、セックスというものが経済的価値を持つようになった。今でこそ、純潔・処女という概念は崩壊したが、セックスがいまだ経済的価値を持ち続けている。(経済的価値とはいろんな意味を持つと思う。お金を払って風俗に行く意味もあるし、金持ちがいい女をゲットするとか)。そうなると、セックスにあぶれる弱者は必ず出てくるから、昔では考えられなかったような性犯罪が起こる。また、援助交際などが咎められることになるのではないか。(そして、東京都は、ついに、「青少年は愛のあるセックス以外は禁止」なんちゅう条例を出すようになる)

何より、貞操観念やキリスト的倫理観が、セックスに愛を通過することを義務づけるようになったのだろうが。

しかし、今の若い世代は、そんな大人を鼻で笑うのだろうな。