通訳学校に通い始めて3か月ほど経ちました。

私の場合、停滞している語学力をなんとかしたくて通訳学校に入りました。なので、プロを目指しているわけではありません。ですが、基本的にはプロ養成のカリキュラムなので「通じればいい」という考え方はあり得ず、完璧なパフォーマンスを求められるだけに、授業はかなり大変です。そして非常に勉強になります。


私は日常の業務でもプロの通訳者と接することがよくあります。
これまではあまり意識していませんでしたが、最近はプロの仕事を間近で見られるわけなので、パフォーマンスの仕方、言葉の選び方、など意識してみています。


最近とみに思うのは、日本で通訳者の地位があまり高くないということです。
そして、その重要性も正しく理解されていない実情があります。

私は会議、シンポジウム、記者会見、取材、その他諸々のイベントで主に英語通訳者と仕事をします。

どんなに良いコンテンツを作り、そして特Aクラスの通訳者を手配できても、通訳がうまくいかなければすべての努力は水の泡です。

通訳者にベストなパフォーマンスをして頂くためには、ブリーフィングの時間をしっかり取るべきですし、最低でも資料は事前に渡すべきです。


ですが、通訳者のプライオリティが低く設定されがちです。
当日まで資料が渡されなかったり、水も準備されていなかったり、という現場も見たことがあります。

通訳者を雑用係のように考えていて、本来の業務以外の荷物運びをお願いしようとしていた人もいました。

あるお偉いさんが、通訳者さんに「君、XX大を出て通訳なんてやってるの。もったいないね」言っていたのを耳にしたこともありました(悪気は全くないのですが)。



ちょっと不思議に感じるのは、日本人は外国語が話せる人をすごいと思う風潮があるにも関わらず、なぜ通訳者の地位が高くないのか、ということです。


外国語を話せるのはすごいが、それを本業にしているとあまり尊敬しなくなる、という意識がありそうです。

そして、「外国語なんて半年か1年くらい現地に住んだらペラペラになるだろう」とそのスキルを過小評価しているからという理由がありそうです。

実際、住んでるだけでは言葉を話せるようになりませんし、通訳レベルになるまでには相当な努力が必要になります。外国語能力も重要ですが、日本語能力はさらに重要です。自分のインプットを超えるアウトプットは出せませんから、日本語能力自体も相当なレベルが求められます。


この実情を解決する1つの案ですが、企業で対外向けスポークスパーソンになりえる人(たとえば部長職以上)には通訳の仕事を理解するためのセミナーを管理職研修に取り入れる、等の取り組みをするとずいぶん変わるのではないかと思います。






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