「新しい上司は中国人」

日経ビジネス最新号の特集のタイトルです。

おもしろそうなので早速購入して読みました。

最近、中国企業に買収される日本企業のニュースをちょくちょく目にしますよね。この特集では、いきなり上司が中国人になって苦労している日本人ビジネスマンの現状がレポートされているのかなと思いましたが、そういうわけでもありませんでした。

最近山東如意に買収されたレナウンなど、中国企業に買収されたり資金援助を受けている日経企業が紹介されています。内容は特に奇をてらったものではなく、いつものお堅い日経ビジネスという感じの記事です。中身はいつも通りで、タイトルはキャッチーな感じ。

最後は「現実を冷静に受け止めつつ、成長の機会にしよう」とまとめられていましたが、みんな頭では理解してても、、というところが悩みどころなのでしょう。



現在は日本企業が中国に進出して、現地で中国人を雇う場合が一般的で、「中国人をいかにうまくマネジメントするか」というような本は巷に溢れています。

でも今後は中国人が上司になる例が増えてきて、「中国人上司といかにうまく付き合うか」という本が売れるようになっていくのかもしれません。



私も北京時代は中国人上司下で長く働きました。
4年間北京にいて、7回直属の上司が代わりましたが、そのうち3人が中国人上司でした(華僑、台湾、香港除いて)。

ついでなので特徴を思い出しながら列挙してみます。


中国人上司A 

性別:男
出身:北京
年齢:40前半
特徴:声がでかい。浪花節。超ポジティブ思考。とにかく大雑把。
言語:中国語、英語(片言) 留学経験ナシ

愛すべき北京のおじさんという感じ。一度仲間と認めてくれるととことん良くしてくれました。よく部下を引き連れて昼食、夕食に行ってました(北京では残業が確実な時はがっつりと時間をとって夕食をとる)。人間関係を非常に重視し、コネで仕事をするタイプ。といっても、コネだけではなくコネはあくまで仕事のきっかけにするだけであって、やることはちゃんとやっていました。


中国人上司B

性別:男
出身:上海
年齢:30代後半
特徴:超論理的思考、ダンディ
言語:中国語、英語、英国への留学経験あり

大学を米国、大学院を英国で出ていて、その後英国で働いた後中国に戻ってきたいわゆる海亀派。髪型は2:8分け、眼鏡、色白、ぽっちゃりという典型的なエリート中国人の風貌。論理的に筋が通っていないと納得しない人でした。中国人には珍しく、あまり感情を表に出さないタイプでいつも冷静でした。


中国人上司C

性別:男
出身:北京
年齢:40代後半
特徴:とにかく愛面子
言語:中国語、英語、米国への留学経験あり

俺は偉いんだぞ、という上司風をふかすタイプ。ちやほやされると喜ぶが、批判されると怒り出す。自分の会社を4つか5つ経営していました。



日本人にもいろんなタイプの上司がいるように、中国人にもいろんなタイプの上司がいるわけで、一概にひとくくりにはできないのですが、共通するのは以下ような点かなあと思います。

・ざっくりとまかせてくれる
いちいち進捗確認してこないので、自由にできます。

・現実主義
「頑張ります」的な精神論発言は通じず、具体的にどうするか、見えるものを重視します。

・気持ちが乗ると行動がものすごく早い
自分のモチベーションが刺激されると一気に物事を進めます。社内外の抵抗勢力にもゴリゴリ押していきます。事前に色々準備するのではなく、やってみながら考える、壁に当たってから対処法を考える、というパターンが多かったです。自分がやりたいことがあれば、上司を納得させモチベーションをうまく刺激さえすればOK。

・野心的
表に出している出さないの差はあれ、みんな将来独立しようと思っていて、部下が優秀だったら一緒に連れて行こうと考えていたりします。なので現状の仕事にも積極的に取り組みます。



なんだか徒然に書いてしまいましたが、機会があればまた改めてまとめてみようと思います。

みなさんの中国人上司の特徴もよかったら教えてくださいませ。



06年にすでに中国人上司とうまく付き合う方法、という本が出ていました↓


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