HTML5 vs Flash について考える | 仕事の覚書き

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メモメモ

巷で 「これからは HTML5 でしょ!」 みたいな話を良く聞く。

確かに、Adobe Flash が厄介なしろものであるのはオヤジも経験済みである。

■ Flash はタチの悪い息子のようなもの


必要最低限の範囲であるのか過剰なのかは不明であるが、何かにつけ、プログラマの行く手を邪魔する「サンドボックス」の存在。
経緯や経過については分からないが、AS2 から AS3 への上位互換性を無視したドラスティック過ぎる仕様変更。
そして、技術的な制約から困難なのか、それとも他に理由があるのかは不明であるが、いつまでも放置され続けているサウンドオブジェクトなどのメモリ過剰消費問題。

Adobe 社は、本来は Apple 社とは蜜月的な関係にある会社である〔注:Adobe 社は、Apple 社が Machintosh で PostScript プリンタ・アウトラインフォントを採用して依頼のパートナー企業である〕。それにもかかわらず、iPhone などで Flash 排除をスティーブン・ジョブスに決定させた動機は何なのか?

Flash はもとは Adobe 社に買収される前は Macromedia 社の製品である。もしかしたら、技術者集団にも Adobe プロパーと Macromedia プロパーの軋轢のようなものがあるのか?などと邪推したりもしたが、そこはアメリカ。
ジョブホップ盛んなお国柄ということもあるが、それ以前に、一民間企業で経営者の意思に逆らいつつ、そこの従業員であり続けることなどまず不可能に近い。
やはり、それはあまりにも内部に多くの爆弾を抱えている Flash と言う名のソフトウェアの振舞いによるものが多いのであろう。

不要なメモリすら解放せず、最後はシステム全体の稼動が脅かされる限界に陥れるようなアプリは、Adobe の Flash であろうがなかろうが受け容れられない…というのがジョブズの素直な意見なのではなかろうか?

いろいろと彼が説明している理由・理屈は、Apple 社の株主そして市場のユーザに対する説明責任に答えたものに過ぎない…というのがオヤジの見方。

きっと、Adobe 社内部の方がユレは大きいに違いない。

■ HTML5 の台頭


巷では、この Apple 社騒動の行方に絡めて「これからは HTML5 だ!」という声を耳にするようになってきた。

オヤジはそうは思わない。

勝手に今手元で使っているブラウザが処理してくれるなら嬉しいが、要は、これから HTML5 をサポートするブラウザが Flash と同等の機能をサポートする(しなければならない)という意味である。

Windows 環境であれば、昔なら IE と Netscape、現在なら IE と Firefox・Google Chrome・Safari に Opera をカバー出来れば良いのかも知れないが、Android みたいのになると、もっとバリエーションが増えてくる。

Firefox や Opera 系の他にも, Skyfire, Dolphin 系, Miren, xScope, Galapagos, Boat, Angel などなど。【参考 - ブラウザアプリ ランキング 2011.1

当然、ライトウェートで軽快な操作を売りにしようと HTML5 に追従しなかったり、部分的に虫喰うブラウザも出てくるだろうし、仕様解釈や制限等によりブラウザ間で動作や挙動の違いが出てくる可能性もある。

技術者的には、厄介な問題児 Flash 一人に対峙している方が大変なのか、それとも、混沌とした複数の自分勝手な連中を相手にする方が大変なのかという問題と同義である。

HTML5 という方向性自体は示されている以上、それ自体に瑕疵がない限りは、Flash の問題が形を変え、別の問題に姿を変えるということであろう。
Adobe は Adobe で、Flash から HTML5 を吐く(生成する)みたいなことをやっているようである。Adobe 社は、むしろ将来このような状況になることを見据えて ECMA Script を採用したと言うかも知れないが、Adobe の ActionScript が ECMA Script の仕様に基づいている以上、それは技術的にも可能であろう。