ワールド・トレード・センター | Let's watch a movie, shall we?

Let's watch a movie, shall we?

外国映画専門
映画は娯楽のみにあらず

感じることは人それぞれ、それって素晴らしい

2009.02.16~ Blog開始

原題:World Trade Center(2006年)


評価:★★★★☆
N A T U R A L

【STORY】

2001年9月11日、港湾警察署のベテラン巡査部長ジョン・マクローリン(ニコラス・ケイジ)と署員のウイル・ヒメノ(マイケル・ペーニャ)らは、同時多発テロの被害を受けたワールド・トレード・センターへ駆けつけた。マクローリンとヒメノら5人はビルの中に入って人々を誘導するが、崩落によって内部に閉じ込められてしまう。


【CAST】

ジョン・マクローリン役…ニコラス・ケイジ

ウイル・ヒメノ役…マイケル・ペーニャ

アリソン・ヒメノ役…マギー・ギレンホール

ドナ・マクローリン役…マリア・ベロ

スコット・ストラウス役…スティーヴン・ドーフ

ドミニク・ペズーロ役…ジェイ・ヘルナンデス


etc,,,




何年経っても色褪せることのない9.11同時多発テロ事件。

この事件が起きた2001年当時、私は10歳です。当時10歳の私でさえ鮮明に覚えています。この事件を描いた作品として「ユナイテッド93」も今年の始めくらいに見ました。テレビではどれを見てもこのことをやっていましたね。悲劇的・衝撃的すぎるこの事件、痛ましいです。9月11日に見るのがベストだったのでしょうが、どうも都合が合わず今日の鑑賞になってしまいました。。。実際に起きたことなのでもう見るに耐えますね。ビルの崩壊は開始30分もしないで起きてしまう。早っ!!

なかなか賛否両論のこの作品。しかし私はボロ泣きしました。最後まで生きることを諦めなかった2人、彼らが無事に帰ってくることを最後まで祈った家族。希望も何もなかったでしょうに・・・。言うのであれば、もっと他の人にも視点を移してほしかったという感じですかね。瓦礫に埋もれながらお互いに話して眠らないようにして、家族はただ連絡を待つだけ。時折フラッシュバック。これでは少し見る人を飽きさせてしまうでしょう。

しかし”実際に起きたこと”ということに注目すると淡々と進んでしまうのは否めないことかもしれません。個人的にキリスト様が出てくるシーンはいりませんでした。キリスト様からの太陽ではなく直接太陽の描写にしていただいたほうが”希望”を感じられたかと。。。



私たち観客はあの日あの時に何が起きたか知っているのであれですが、この映画はその日その時に何が起きたのかわからない、状況もつかめない中での事件です。そういう描写がちらほらありますね。瓦礫に閉じ込められた港湾局警察の人たちは何が起きたのかよくわからないまま救助へ向かい、目の前の光景に愕然とし、ビルの中に入って情報もうまく回っていなかったために2機目が突っ込んだことも知らず、ビルが崩壊したことも知らず。こんな状況の中ただ救助を待つなんて辛すぎる。

救助されたとき「ここにあったビルは?」と聞いてるシーンがありましたね。しかし負傷していつ来るかもわからない助けを待つことが出来ず自ら命を絶ってしまったシーンは痛ましい。実際ニュースの映像でビルの高層にいた人たちは熱さに耐えきれずにビルから身を投げた人もいましたね。



この間ニュースでオバマ大統領がこの事件がきっかけで今起きている戦争について「これは必要な戦争である」と言ってしました。しかしその戦争に意味を感じている人は少ないそうです。確かにアメリカは2700人以上の犠牲者を出して多くの痛手を負ったけどその戦争をすることで敵国にはそれ以上の犠牲者が出ていてアメリカ軍もその戦争で亡くなっているわけです。エンドレスじゃない?

戦うことでしか解決(というかなんというか)が出来ないなんて悲しいですね。最後の海軍兵?のセリフもなかなか意味深でした。メッセージ性あるよね。。。

この事件で助かったのは20人と少なく、この映画の中心となったジョン・マクローリン巡査部長と署員のウイル・ヒメノは18番目と19番目だったそうです。こうして救助をしに行った人までも犠牲となったこの事件は何年経っても何年経っても人々の記憶に残るものでしょう。


映画として観たらたいくつかもしれないけど実際に起きた事件であり、生存者もいるのか?というなかでのこのドラマは素晴らしいと感じました。しかしあんな大きなビルが一瞬にしてなくなり、人もついきのうまでは普通の日常を過ごしていたのに。。。何が起こるかわからない・・・儚いです。自分も瓦礫が崩れて死ぬかもしれない、という中で危険をかえりみず救助に向かったその勇気ある姿に最後まで感動させられました。


911は人に何が出来るか見せつけてくれた。人がどこまで邪悪になれるのか。だが同時に人には善意があることも見せてくれた。みんなが助け合った。理屈ではなく、それが正しいことだからだ。そのことを語り継ぎ記憶に留めたい、あの日見た多くのことを。


↑は映画の最後のセリフ(語り)


この事件により亡くなった方々に心からご冥福をお祈りします


ご遺族の方も、どうかこれからもお体に気をつけて