「また来てくれたんですかィ?」
数日前に訪れたばかりだと言うのに、再びこの扉を開けてしまった女が一人。
「アンタに会いに来てもらえるなんざ・・・俺は幸せ者でさァ。」
少し薄暗い部屋の中で、亜麻色の髪がキラキラと光る。
「今日はまた、随分と可愛らしい服着てるんですねィ?」
蘇芳色した大きな瞳がニッコリと微笑んだ。
「アンタにピッタリのカクテルをご用意させていただきやす。」
ボーイに目配せすると、綺麗な色のカクテルが運ばれてきた。
「“スプリング・オペラ”でさァ。アンタみたいな大和撫子にはピッタリだと思ったんですが・・・気に入ってもらえやしたかィ?」
照れて出てこない言葉の代わりに、女は嬉しそうに微笑んだ。
「ん?俺に会うためにこんな格好してきてくれたんですかィ?アンタにそんな事言われちゃ・・・マジで惚れちまいそうでさァ。」
その言葉に射抜かれた女の手を取り、甲に優しく口付ける。
「そんなに頬を赤らめて・・・もう酔っちまったんですかィ?仕方のない人だ。今日は・・・トクベツに送っていってあげまさァ・・・。仕事が終わるまで待っていてくだせェ。」
そう言って、鍵を手渡す。
「案内して差し上げてくだせェ。」
近くに立つボーイの一人に声をかけた。
「俺の大事な人だ・・・粗相のないように頼みやしたぜィ?」
ボーイは軽く頭を下げると、傅き女の手を受け取る。
「参りましょう。」
手を引かれた女は、そのまま店の最上階にある部屋まで案内される。
「こちらの部屋の鍵でございます。どうぞ、ごゆっくりお寛ぎくださいませ。」
鍵を開け、扉を開くと・・・そこには、まるで高級ホテルのスイートルームのような部屋が用意されていた。
アンタに会いに来てもらえるなんざ・・・俺は幸せ者でさァ―――。
アンタにそんな事言われちゃ・・・マジで惚れちまいそうでさァ―――。
俺の大事な人だ・・・粗相のないように頼みやしたぜィ?―――。
ホストの言う事なんて鵜呑みにする方が負け。
だが、熱を帯びたこの気持ちを誰が止められようか・・・
女はすっかりあの男の虜になってしまっていた。
「待たせちまいやしたねィ?遅くなって・・・」
仕事が終わり、部屋を訪れた男の目に映ったのは、ソファに寄りかかって眠る女の姿だった。
「こんなところで寝ちゃ、風邪ひきますぜィ?」
ぐっすり眠っている女を抱え上げ、ベッドへと運ぶ。
そして、布団をかけると自身はシャワールームへと向かった。
「ん・・・起こしちまいやしたかィ?」
まだ濡れている髪を拭きながら、ベッドに腰をかけている男。
「あんまり気持ちよさそうに寝てたんで、起こすのがかわいそうになっちまいやしてねェ。・・・にしても、男の前で寝るなんざ・・・無防備過ぎるんじゃねぇですかィ?」
女は、赤らめた顔を布団で隠した。
「俺だからよかったようなものの・・・他の男じゃ、とっくに襲われてやしたぜ?」
フッと優しい笑みを浮かべ、髪を撫でる。
「でも、そんな熱っぽい目で見られちゃ・・・俺の理性もいつまで持つかわかりやせんけどねィ?」
悪戯っぽく笑うその顔に、鼓動が跳ね上がる。
「ホストを本気にさせちまうとは・・・アンタはイケナイ人だ。その責任・・・しっかりとってもらいやすぜィ?」
獲物を捕らえる獣の如く・・・ゆっくりと近づいていく。
いつもの香水の匂いではなく、柔らかい石鹸の香りが、更に鼓動を早める。
頬に触れる濡れた髪の冷たさに、辛うじて理性を保てている状態だっだが・・・
触れた口唇の感覚に、一瞬にして飛んでしまう。
「キスだけでこんなになっちまうとは・・・これ以上のコトしたら、どうなっちまうんですかねィ?」
反応を楽しむかのように、髪から頬。そして首。
長い指が、愉しげに躰をなぞった。
胸の中心からお腹にむけて、スーッと指が滑り降りる。
ゾクゾクとした感覚に、焦らされるかのような手の動き。
目には自然に涙が溜まっていた。
「どうしちまったんでィ?嫌なら・・・ここで止めてあげやすぜ?」
女は必死に首を振った。
「じゃあ・・・俺にどうしてほしいんですかィ?」
零れ落ちた涙を、そっと拭う。
「言わなきゃ何もシやせんぜィ?」
恥ずかしさで火照る顔。
焦らされて火照る躰。
「いつもの俺じゃないみたい・・・?フッ、これが俺なんでさァ。アンタしか知らない、本当の俺・・・」
再び重なった口唇。
そして、欲しい部分に的確に伸びてくる手。
「だから、アンタもそんな顔をするのは・・・俺の前だけにしてくだせェ・・・」
途切れ途切れになる意識の中で・・・心も躰も満たされた女の耳に残った言葉。
「アンタはもう・・・俺のモンでさァ・・・」
翌朝。
女が目を覚ますと、既に男の姿はなかった。
テーブルの上には書置きが残されていた。
身支度を終えると、その書置きを大事そうにしまい・・・部屋を後にした。
その頃・・・男はと言うと。
「おー?ソウ、朝帰りか?」
「まぁねィ。」
「そういや、昨日来てたもんなぁ・・・あの女。」
「お得意様・・・ですからねィ。」
「・・・その様子じゃ、喰っちまったんじゃねぇの?」
「人聞きの悪いこと言わねぇでくだせェ。俺以外の奴なんざ見えなくなっちまうように、魔法をかけただけでさァ。」
「だからそれを“喰った”って言うんじゃねぇか。」
「違いまさァ。」
「ハイハイ。・・・で?今回はどんくらい引っ張れそうなの?」
「まぁ・・・しばらくは愉しめるんじゃねぇですかィ?」
「あーあー。悪い顔しちゃってよォ。お前のその顔、女どもに見せてやりてぇぜ。」
「何言ってんですかィ。ホスト相手にマジになる奴がマヌケなんでさァ。」
「ははっ。違げぇねぇや。」
「ま、そんな連中のお蔭で儲かってるんで無下にはしやせんが。」
「マヌケ様様・・・ってか?」
「今日も稼がせてもらいまさァ。」

今日もまた一匹・・・可愛い兎は・・・魔法使いの呪いにかけられる・・・

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― あとがき ―
ただのお遊びですサーセンwww
遊ぶんなら徹底的にヤってやろうではないか・・・と言うマダオの悪い癖w
少しでも楽しんでいただけてたらいいなぁと思いますw
えー・・・今回の主役。
真選組一番隊隊長 沖田総悟・・・ではなく。
【CLUB】 Just do It の“ソウ”でございますw
あんまりカタカナ表記って好きじゃないので、漢字にしようかと思ったんですが
他のキャラとも統一させた方がいいかと思って、あえてのカタカナ表記ですw
ソウは・・・多分、No.3くらいだと思いますw
てか、どのキャラを出すか決めてないからアレなんだけれどもwww←gdgd
ホスト・・・と聞いて、甘いのを想像された方、サーセンw
当店のホストたちは、顔は一流ですが・・・性格は極悪揃いでございますw
だって、代表が自分だからね(・∀・)←ただの好み
優しい笑顔の仮面の下では舌なめずりをしておりますww
そんな危険な香りが漂う彼らにハマってみるのも、また一興かと・・・w
元ネタ・・・と言うか、そもそもこれを書くきっかけになったのは
某ジャンヌの『WIZARD』と言う曲からの発想でありますw
ご興味もたれました方、どうぞ歌詞を見てみてくださいましw
ま、でも・・・甘いばっかりのホストより、どこか裏がありそうな方がそそられますよね(´∀`)←え
こんな内容なので、Sっ気のある人の方が書きやすいですw
だから、トップバッターは総悟でw
次は銀ちゃん辺りかな・・・?
神威とか口調がアレだけど、想像はしやすいw
んでも、辰馬を書くのがものっそ楽しみですwww←
後はね、近藤さんとかも書きたいw
Sっ気のなさそうな人をSにするのって楽しいですヽ(゜▽、゜)ノ←(馬)
不定期更新になりますが、覗いてくださると嬉しいですw
・・・ん?コレ、あとがきって言うのか?←
ちょ・・・ちょと内容にも触れておこうかなあはははは!
多分、「ヤってるシーンをもっと細かく!」と思った方もいらっしゃるのではないかとwww
いつも言ってますが、そういうシーンを書くの苦手なんで無理ですwww
恥ずかしいとかよりも、表現が汚くなるのは嫌なので・・・その辺は、各自脳内妄想でお願いしますw
それから、ソウからの書置き。
男らしさと若干の幼さを表現した・・・つもりで書きましたw←お前がか
・・・いや、嘘ですwww
8割、自分の字ですwww←
ちゃんと意識はしたんだよ?w
もともと、男っぽい字だと言われるのでイケるかなぁ・・・とか。
まぁ、考えが甘かったんだけどorz←
汚ねぇモン晒してしまってサーセンwww
次は頑張りますヘ(゚∀゚*)ノ←まだやるのか
で、最後の会話部分。
コレは・・・多分、銀ちゃんと話しているはずですw←曖昧
もっともっと悪い部分を出したかったんですが、うまいこと文字にならなかったのであのくらいでw
つーか、全体的にSっ気が足りない!←
SなMのマダオには、やっぱりS不足のようです(´・ω・`)
何て言うか・・・こう・・・ド鬼畜!と言わしめるくらいのSっぽさがほしいですw
うん、勉強しよう!←え
そんなこんなで、あとがき以上ですw