『幸福な生活』百田尚樹
おはようございます。
神谷です。
『永遠の0 』の著者の百田尚樹氏の短編集『幸福な生活』の紹介です。
この本も、嫁さんが買ってきて、机に積読状態になっていました。
何気なく読み始めたら、面白くて最後まで読んでしまったのです。
当記事は、ネタバレまくりなので、『幸福な生活』に本当に興味があって、後で読んでみたいという方は、最初の方だけ読んで、後は読まない方がいいかもしれません。
この本は、19編の短編からなります。
テーマも様々。
各短編の最後のページに、
■ 怖い
■ 楽しい
■ 面白い
”オチ”
が一行書いてあります。
その一行が、
「なるほどそうだったのか」
と思わせてくれて楽しいのです。
ある短編では、
「こんなオチになるんじゃないかな。」
なんて、思ったら、
「その通りになった」という、ちょっと”勝った”という感じを味わう楽しみ方もあると思います。
そして、もう一つの楽しみ方は、短編なので、あまり背景は多く語られていません。
短編を読み終わると、
「ああ、そうだったのか。」
と、思いますが、少し経つと、
「待てよ、もしかすると、あれはこういったことじゃなかったのか?」
と、2度美味しい的な楽しみ方もあります。
本当に短い話なので、ちょっとずつ電車の中で読むというのもいいでしょう。
ほろっとする話もありますが、泣けるほどではないので、電車の中で読んでも安心です。
ここまで、記事を読んで、『幸福な生活 』を読んでみたいな、と思った方は、ここで記事を読むのをやめましょう。
ここから先は、ネタバレまくりの内容になります。
マンションの扉を開けると、玄関には見慣れない赤い靴がそろえてあるのに気付いた。
リビングで妻の玲子が話している相手を知って、健二の背中には戦慄が走った。
それは、不倫相手の芙佐子だったからだ。
全くの遊びの浮気と思っていた芙佐子の行動に、家庭を壊したくない健二は動揺する。
芙佐子は、玲子が少し外したすきに、キスをする、股間に手を伸ばすなど、健二の感情をさらに逆なでするのでした。
そして、なんとかその場を乗り切った健二が、芙佐子を駅まで送っていく途中、芙佐子は意外なことを言う。
「奥さん、浮気のこと知っているわよ。女の勘ね。」
健二はどちらかと言うと、妻の玲子は鈍い方だと思っている。
そして、自分の浮気も完ぺきに立ち回っているから大丈夫だと。
しかし、健二は家に帰ってから、芙佐子の言葉が気になって仕方がない。
玲子が、風呂に入っている間、玲子の机を物色することにした。
玲子は、日記をつけていたことを思い出したのだ。
そして、玲子の日記を見つけたが、その日記には日常の健二とのたわいもないことが綴ってあった。
一安心して、日記を片付けると、どうも引き出しに不自然な場所がある。
開けてみると、そこには、今までの自分の浮気相手の写真、素行調査がしまってあった。
なんと、一昨日の芙佐子との不倫現場写真さえもあるではないか。
「全部ばれている!!!!」
そして、そこから一枚のメモが落ちた。
健二はそれを拾って、メモを読んでみると・・・・・・・。
長いあらすじになってしまいました。
さて、メモには何が書いてあったのでしょうねぇ。
私個人的には、ちょっとゾッとしました。
すこし、頭の回転が鈍いんじゃないかと思っていた奥さんですが、実は、すべてを知って、健二は奥さんの手のひらの上で転がされていたということです。
もう、1,2編紹介しちゃいます。
次回に続きます。