"Connecting Chords With Linear Harmony"読書メモ(1) | 白鍵と黒鍵のスキマから

"Connecting Chords With Linear Harmony"読書メモ(1)

ジャズ関連では、いろんな本を読んで、という形で勉強はしているのですが、いままで特に形には残していませんでした。そこで読書メモぐらいは残していこうと思い、どうせなら共有できるものは共有していくといいんじゃないかと思い、(書評やまとめというものではなく「読書メモ」なのですが、)順次アップしていきたいと思います。

なので、もともとの本の内容や要点とかけ離れたことが書かれているかもしれませんがご容赦くださいw

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"Connecting Chords With Linear Harmony"読書メモ(1)
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全体としては「アドリブライン」はどう作るかについて述べられている本。
アドリブラインは「対位法/対位旋律」的なものと考えるとよい.
すると、ベースのライン、つまりコードのルート(をベースが弾くことが多い)を
ピアノのアドリブで重視・多用することは、ユニゾンになってしまうために
対位法/対位旋律としての性質は薄くなる。ので、あまり使わないほうがよい。

ルート以外の11音はベースとの間ですべて何かしらのハーモニックな関係を持つ可能性がある、
ということになる。しかしこれだけでは曲にあった、意図したハーモニーは得られない。
(その曲・箇所にはコード、適切なハーモニーが存在しているはずだから)

そこで 利用可能な音を絞る "NARROWING" について考えてみる。

●ハーモニーの性質を現すためには 3度の音は省略できない
前述の通り、ベースがルートを弾くとした場合、
ピアノ(対位旋律側)が3度を弾けばそのコードが
マイナーかメジャーかが決定できる。
キーが決定されている場合、ルートと、major/minorがわかればハーモニーは
表現されている。逆にいうと、3度は省略してはいけない音、ということになる。

同様に7度も重視される、としてきた。(Dm7のC音、FMaj7のE音など)
改めて、7度という音の性質について考えてみると、
7th は不協和、dissonantで、下方に解決しようとする、ということらしい。
(とのこと。個人的にはちょっと違う意見もあるけど)

例えば、Cmajorでの Dm7(ii) の 7th=C音は B音へ解決しようとする(らしい)。

このことから、
Dm7→G7 においては C→B とすることで 7th-3rd の連結となる。
また、単純なコードのアルペジオと違って、音はなめらかに連続している。
(アルペジオ的ではなくスケール的)

3rdのことも考えれば
白鍵と黒鍵のスキマから
というように 3rdと7thだけで基礎となるラインを作ることができる。
G7→C においても 7th->3rd は滑らかにつながっていることに注目。

つまり、"Linear Harmony"はコード間をスムーズに連結する水平方向のメロディの連結
7th → 3rd (Dm7-G7 : C-B)
9th → 5th (Dm7-G7 : E-D)
Consonance -> Dissonance -> Resolution
である、らしい。

Consonance -> Dissonance -> Resolution をラインに置き換えると
3rdがまず登場し、最終的に7thが登場し、次のコードの3rdに解決する。
と考えられる。

ここから、「ラインの作り方」として Outline と呼ばれる基本形が3つほど提示される。

●Outline#1 3-2-1-7 スケール下行形
3rd -> 7th をスケール的に間を埋めてつなぐと
白鍵と黒鍵のスキマから
となり、スケールを下降していく形となる。
これを途中からオクターブを上げてみたり、という変化形なども可能、なのだが
これは後ほど説明が提示される(Octave Displacementという節で)

これのバリエーションとして、スケールに沿った下行ではなく、アルペジオを混ぜることも可能。
白鍵と黒鍵のスキマから-fig3
というわけで、ここでは3-5-7-9->5 というアプローチも存在することが提示されている。
また、9度→5度 は先述の(Dissonance -> Resolution)に当たると考えられる。

マイナーでも同様。 Dm7b5でEb音 とか G7(b9)でAb音に変化するが、ダイアトニックスケールと
対比して考えれば 3-2-1-7 などのラインとしては同じものだ

白鍵と黒鍵のスキマから-fig4

●Outline#2 1-3-5-7 形
Outline#1では 3-2-1-7 という形だったが、
Outline#2では 1-3-5-7 という上行アルペジオ形.

そのまんま
白鍵と黒鍵のスキマから-fig5
など

もちろん Outline#1のバリエーションで提示されたように、
G7 を B D F A としてもいいわけで 
こうなるとarpeggioが連続する形となるが、最後の音から、次の小節の頭の音への
関係が 変わらず "Dissonance -> Resolution"(7->3, 9->5) となっていることに注意。

白鍵と黒鍵のスキマから-fig6

同じくマイナーキーでも使えるのはOutline#1でも示したとおり。


白鍵と黒鍵のスキマから-fig7

●Outline.3 5-3-1-7形
Outline#2では1-3-5-7という上行のアルペジオだったが、Outline#3では
5-3-1-7という下行形のアルペジオをラインとするもの。
やはり、7->3 というラインに注目。
(ところで、Dm7だけでなく G7も 1-3-5-7とか 5-3-1-7にしてもいいはず.
だとすると、 すでに出てきている3-5-7-9も含めてアルペジオのバリエーションも
複数提示していることになりますね(この章で))


白鍵と黒鍵のスキマから-fig8


白鍵と黒鍵のスキマから-fig9

マイナーキーでももちろんいけます。


白鍵と黒鍵のスキマから-fig10



第一回はここまで