[なんちゃってジャズピアノ講座] #34 Misty その3 サビ最後の3-6-2-5 | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ講座] #34 Misty その3 サビ最後の3-6-2-5

やばいっす!!
一ヶ月もあいてしまいました・・・本当にすいません。

忙しくしてたのですが・・・と言い訳。
何に、というと・・・ 来る10/11の
東方紅楼夢 にて、私が曲参加したEPが出るのです!
ついったー東方部」、E39b でよろしくです!

ちなみに私が参加したのはジャズピアノというわけではなくて、ポップなプログレハウスを作ろうと思ってたら「どうしてこうなった」みたいな曲、という感じです。原曲はマイナー曲のはしくれ?東方紅魔郷より「紅桜~Eastern Dream」です。

ですが、ジャズピアノ・・・強引に入れるかもしれませんよ・・・ふふふ(と含みを持たせる) まだマスタアップしてませんからね!


さて、ずいぶん時間があきましたが、今日もはりきってなんちゃってジャズピアノ講座、いきましょう!前回はMistyのサビの入り口部分をブロックコードで分厚くする、というものでしたね。Two-five-oneを一通りこなしたみなさんなら、サビのメロとコードを弾くことは簡単なはずです。簡単じゃない、って人は前の練習をもっとミッチリやってください。大丈夫。人間ってすごいから。必ず覚えるから。

で、今回はこのサビのケツの部分。メロディーが明確には定義されていない、Gm7-C7-Fm7-Bb7のところです。

キーがEbなので、これ、いわゆる「サン・ロク・ニー・ゴー」進行です。ロクのセブンス、C7はつまりオルタード系でしたね。サンのマイナーセブンスは、9thを省略したほうが響きは簡素でまとまる、というお話もしましたね。Gm7のところでAの音を出すかどうかは微妙だ、ということです。ここまでは復習。

さて、今回のポイントは2つ。

まず1つ目、こういう「循環コード進行の場所」かつ「メロディーが決まってない/スカスカの場所」では、「適当にフレーズを作ってもよい」ということ。

2つ目。この進行の一番後ろの5度のセブンス、つまりドミナント、Bb7は、メロディーとケンカしない限り、オルタード系にしてもよい、ということ。つまり、5度のセブンスは、ナチュラルでもオルタードでも好きなほうを使えばいい、ということになります(ただし、サウンドが許す場合に限り、ということです)。

サウンドが許す、とはどういうことか、というと、たとえば、今回の例のように Bb7 で考えた場合、メロディーに C音 (ナチュラル9thですね) が来た場合、9thをフラットやシャープしたようなオルタード系のテンションは使えない、ということです。同様に、メロディーに G音 (ナチュラル13thです)が来た場合、13thをフラットしてはいけない、ということになるのです。逆もまた真、で、メロディーがオルタードテンションの音になっている場合は ここはナチュラルテンションでアプローチするのはよくない、ということですね。

さて、ここでいきなり、以下、私の演奏例を示します。動画では、1回目が「なにもしない」版。2回目が「楽譜のような演奏をした」版です。


白鍵と黒鍵のスキマから-3-6-2-5 line
はい。今回は私のアドリブ例なのでライン楽譜も書きましたよー。譜割、アーティキュレーションなんかについては各自の自由です。

ポイントはまず C7 (六度のセブンス、なのでオルタード系) で、アドリブラインに b9→ルート という「緊張と解決」があること。これは何か 9度方向に「ぶらさがって戻った」ような印象の音になりますね。使いやすいです。 #9までいっても平気ですよ。

次に、ジャズのアドリブラインでは頻繁に使う、Fm7などのマイナーセブンスでの 11th 音(=完全4度音)のメロディーでの特徴的な利用。 9th, 11th を絡めていかないと、1,3,5,7の音ではいかんせんベタなサウンドになってしまうため、9,11の用例が多くなる、と思います。

説明が横道にそれちゃいました。

今回の、最重要ポイント。それはBb7のボイシングとメロディーの関係です。Bb7は私の演奏ではメロはG音になっています。ですから、先ほどまでの説明からすればナチュラルテンションを使いたくなるのですが、それは理解した上で、あえて、ジャジーなサウンド狙いで、9thだけオルタードにして、13thはナチュラルのまま、として矛盾しないようにしている、ということ。また、このオルタード、ナチュラルの関係はサウンド的に比較的使いやすく、「コンビネーションディミニッシュ」のドミナント7thとしてアチコチで使える、ということ。です。コンビネーションなんとか、は今回は理解しなくてもOKです。

しかし、「あえて」とか「片方だけオルタード」とかなんのこっちゃ!?となるかもしれません。

いままで、ナチュラルというと、たとえば G7 では 9th, 13th でしたね。A(ラ)とE(ミ)がテンションでしたね?
で、オルタードは、というと G7 では b9th(と、#9th), b13th でしたよね。Ab(ラ♭)とEb(ミ♭)でしたね。
ところが。9thだけオルタードして、13thはナチュラル、という用法が、あるのです。しかもこれ、よく使うのです。

それじゃあ、またtwo-five練習するのかよ・・・とげんなりする人もいるかもしれません。本当は、したほうがいいのです。が、これはもう「キメで使う」として、曲ごとにここぞという場所で使う。かつ、ソロで弾くならキーも自由だし、全キー練習しなくてもいいじゃん、という感じで、練習はナシにしてしまいましょう。この例の Bb7(b9,13) の左手の型を覚えてしまえば、もうそれでいいと、妥協する。

これでワクワクした人は、きっとこの先のアドリブやライン作り、コードワークにも幅が出ます。可能性が広がったのです。ゲンナリした人は、まずは自分で上記例のようなラインを考えだして、テンションについてはナチュラルかオルタードかだけ適宜選べるようにすればいいでしょう。そのうち、きっと、この「片方だけオルタード」みたいな型はやりたくなります。その時までお預けでもいいと思いますよ。

というわけで演奏例です!