[なんちゃってジャズピアノ] #18 枯葉(Autumn Leaves) アプローチノート #2 | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #18 枯葉(Autumn Leaves) アプローチノート #2

またまたまた2週間もあいてしまいました。おひさしぶりです。

前回はシンプルなフレーズを紹介しました。いろんなフレーズを持っていると、自分の演奏にも幅が出てきますし、常套句をふりまけば「なんちゃって感」もかなりアップします。ただ、やはりそれだとコピーに近くなってくるので、いままでやってきたように、理論とかパターンを踏まえて自分で音を紡ぎ出すような、そんな演奏をぜひ心がけたいと思うのですがいかがでしょうか。

今回は、アプローチノートの続きです。アプローチノートの練習は大きく2つに分けられます。ブルースのときにもそんな感じで順番に取り組みました。1回目は、コードトーンの半音下を使う、というもの。そして、今回の2回目は「コードトーンの上をスケール上の音で、コードトーンの下は半音下で」挟むというものです。

練習方法もブルースのときともちろん同じなのですが、コードとスケールが増えていますから、覚える量も増えてタイヘンですね!


白鍵と黒鍵のスキマから-Autumn Leaves Approach Note #2

さて、コードとスケールに対応してこれをマル覚え、というわけですが、例によって大体パターンがあります。半音下はもういいとして、上側の「スケール上の音」というのがキモですよね。この音は要するに半音上か全音上か、なんです。アプローチで囲うコードトーンは、1,3,5なわけですからこの3つについて半音か全音か、を把握すれば考えながらでも演奏したりすることは出来るわけです。

では、見ていきましょう。

まず、Cm7など、マイナーセブンスでDorian(ドリアン)を使う場合、すべて全音上です。枯葉をやる分にはいいのですが、「マイナーセブンスは全部全音上」と覚えてはいけません。3度m7のフリジアンや、6度m7のエオリアンが求められる場合にはこの限りではないからです。が、まあ、とにかく難しいことは考えないでおきましょう。

次に、F7など、ドミナントセブンスコードにおいて Mixolydian(ミクソリディアン)を使う場合は 全、半、全 (1,3,5) です。また、B♭△7など、メジャーセブンスで Ionian (アイオニアン・イオニアン)を使う場合も、同じく全、半、全なのです。この組み合わせを覚えておけば 2つに使えますね。

E♭△7はどうでしょうか。ここはLydian(リディアン)があたっています。リディアンは、アイオニアンから見ると4度音が半音上がっていますから、3度のアプローチに変化が出てきます。なので、全、全、全 (1,3,5) となります。同様に E♭7 での Lydian♭7th(リディアン・フラットセブンス)でも、全、全、全が使えるわけです。リディアンは全部全音上。そんな風に覚えるといいでしょうか。

Am7(♭5)、ロクリアンですね。これは半、全、全(1,3,5)です。これはなかなかやっかいです。そもそも5音がフラットしていますから、その全音上とかになるとちょっと覚えにくいですしね。1度の半音上、というのは結構覚えやすいものです。

D7やG7は、オルタード系のセブンスです。HMP5th belowだろうが、Alteredだろうが、基本的にはすべて半音上をアプローチとして使えます。スケールにあわせて変化させる必要がないのです。5度音がそもそもAltered Scaleに含まれていないという厄介なところもあり、半音上でアプローチすると自動的にHMP5thBelow的な響きになるものと思われます。しかし小難しいことはどうでもよく、とりあえず演奏上は 割と楽なポイントということになります。

(蛇足ですが、これがコンビネーション・ディミニッシュというスケールまで利用することになるとさらにアプローチノートの利用性・多様性も広まるのです。が、やはり半音上で囲うというのは、クロマティックアプローチとしてみなすこともできるので基本的に禁則的なものにはなりにくいため使いやすい。オルタード系は全部半音上で、とりあえず括っても今は問題ないはずです)

Gm6は、全、全、半です。ドリアンと比べると5のアプローチが「半」になっています。

ウンチク。これは基本的にエオリアン(=マイナースケール)のようにアプローチするため差が出ているからです。Gm6はメロディック・マイナーだと言っていましたが、5度の上の音は、その後に 5度音へ落ち着くので、「下行フレーズ」とみなすことができます。その場合は、メロディック・マイナーはナチュラル・マイナースケールと同一の構成音になりますから、6度はフラットされて、5度音のアプローチは「半」だ、ということになります。

さて、後半に Gm7-C7-Fm7-B♭7 というところがあり、Gm7,Fm7はとりあえずドリアンとしてアプローチしても問題はないでしょう。B♭7もミクソリディアンでOK。で、C7のとこなんですが、これはオルタード系にするのも普通にあります(演奏してみると聴いた感じでもしっくりきます)。楽譜では、私はミクソリディアンのようにアプローチしています。これは自由にすると良い、と思います。ドリアン・ミクソ・ドリアン・ミクソという下がっていくリズム感とか、いろいろ理由は付けられます。スキにすればいい、という感じでしょうか。

(同じく、Gm7をフリジアンに見立てる人もいるし B♭7をLydian♭7thでアプローチする人もいるわけです。解釈の自由度がジャズの面白さのひとつですしね)

さて、なんだか難しいのですが、結局は全、半、なんとか、かんとか、みたいなものを覚えてしまったほうが手っ取り早い。そんなわけでガンガン練習しましょう。ただし、楽譜どおり練習するよりかは、全、半、全などとつぶやきながらやったほうが上達も早いと思われます。

アプローチを散らすとぐっとそれらしい演奏に聴こえるから不思議です。是非是非身に付けて演奏の幅を広げましょう!!

またヘタレ演奏例をつけておきます。今回は1発だとひどかったので3回録りなおしましたww