[なんちゃってジャズピアノ] #17 枯葉(Autumn Leaves)+フレーズを覚える | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #17 枯葉(Autumn Leaves)+フレーズを覚える

前回までの流れから、当然アプローチノート #2の練習が来る、のですが、「こんな練習ばっかしててもいまいちカッコよくならんよー」って人も多いと思います。

そこで、フレーズの登場です。フレーズというのは常套句。いままでの練習は実はフレーズが出来るまでの理論を体験的に学習してきたというわけです。アプローチノートとかテンションとかそういったことを少しでも理解しているとフレーズを利用したり加工したりふくらましたりできるわけです。「なんちゃって」といいつつそんなもんですw

アプローチノート、コードトーン、コードの仕組みなどの理解が「文法」。フレーズなどは「言い回し」とか「ボキャブラリー」どちらかだけでもいい音楽(会話)は難しいところでしょう。フレーズも覚えてつつ、フレーズばっかりにならないように自分の演奏をしましょうー。

いま練習しているのが 枯葉 (Autumn Leaves) で、これにたくさん使えそうなフレーズをひとつ紹介します。今回紹介するフレーズは、マイナーコードでのフレーズなのですが、音数が少ないこともあってか、割とあらゆるところで使えます。

どこで使えるか、の理解の前にフレーズを紹介しますね。


Minor Phrase

さて、まるで曲のように長い楽譜ですが、これは1小節のフレーズを 12のコードで示したものです。要するに12のキーに転調しているわけです。

かといって一個のフレーズを12種類で覚える、というのはなかなか時間がかかります。「なんちゃって」としては使いそうなキーのものをしっかりと覚えることを優先しましょう。

ちゃんと覚えよう、という人は闇雲に覚えるのではなく、フレーズの各音がコードにおいて何度の音にあたるかをしっかりと理解してから覚えるのがコツです。上記のフレーズでは、 9(2)→R(1)→5→3→9(2)→R(1) という流れになります。これとコードのスケール(ドリアンとか、なんとか)を混ぜつつ理解すれば身につくのが早いと思われます。

さて、じゃあ使える場所と、使えるフレーズ(の所属するキー)を紹介します。なお、理論を使ってコードやスケールを付け替えることで使える場所は増やしていくことができますが、いまの段階では考えないことにしましょう。
では順番にいきましょう。初めてなので「ここでは使えない」ということも説明します。
  • Cm7 のところではもちろん Cm7のフレーズが使えます
  • F7 のところでは今は使えません。(オルタード系スケールでヴォイシングする場合は G♭m7 のスケールを使うことができますが、無視してください)
  • Bb△7および E♭△7についてはこのフレーズは使いません
  • Am7(♭5) は Cm7のフレーズが使えます。 Am7じゃないですよ。注意。
  • D7 は E♭m7のフレーズが使えます。(これは D7がオルタードでアプローチされているからですが、とりあえずは理解しなくてもいいです)
  • Gm6 では Gm7のフレーズが使えます。7thも6thの音も入ってないフレーズなので大丈夫。
  • G7 では A♭m7のフレーズが使えます。これも G7がオルタードでアプローチされているからです。
  • Gm7-C7 ではGm7のフレーズを、Fm7-B♭7では Fm7のフレーズを使えます。
  • E♭7 では使わないか、B♭m7のフレーズを使えます。理由としてはオルタードじゃないから。
これ覚えるだけでもタイヘンですよね! 見てみると、マイナーコード以外でもガンガン使えることがわかります。とりあえずは Cm7とか Gm6 のとこで使うのがわかりやすいのではないでしょうか。 (コードと使えるフレーズの対応するキーが同じなので)

覚えるより理解したい人、理解したほうが早い人もいると思います。とりあえず簡単なルールを紹介します。
  • Cm7とかの場合は Cm7のフレーズが使えます。ただし、鳴らしてみてヘンだと思ったらやめましょう (キーの3度m7でフリジアンが用いられているケースでは9thが含まれているため原則として使えない、けど、耳を信じるほうが早い)
  • E♭7など、7thコードで、ナチュラルテンションの場合には「5度上のm7のフレーズ」が使えます。
  • D7など、7thコードで、オルタードテンションの場合には「半音上のm7のフレーズ」が使えます。
  • Am7(♭5)など、m7♭5(ハーフディミニッシュ)のコードでは、「短3度上のm7のフレーズ」が使えます。短3度上は元のコードの3度音ですから、そういう風に考えるといいのかもしれませんね。
どこが簡単やねん!と思うかもしれませんが、少しずつやっていけばいいのです。ここで理論責めでイヤになりそうなら、とりあえずは使うところを決めて、そこだけやるとかすればいいのです。ジャズほど「とにかく理論覚えろ」と言われるジャンルを他に見たことがないのですが、少しずつやればいいのだと思います。

さーて今回はかなりヤバい感じがしますが、フレーズを使えるようになるとアドリブを作っていくうえでも楽しくなってきますから、頑張っていきましょう!

演奏例はこんな感じです。テーマは弾かずに使えそうなとこを全部フレーズ散らして、それ以外はオヤスミ。2コーラス目はなるべくたくさん使って構成してみました。相変わらず酔っ払い演奏でゴメンナサイ!