[なんちゃってジャズピアノ] #11 枯葉(Autumn Leaves) テーマ前半 | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #11 枯葉(Autumn Leaves) テーマ前半

おひさしぶりです。

今回から、ジャズスタンダードの鉄板中の鉄板、「枯葉(Autumn Leaves)」に取り組んでいきたいと思います。
この曲、もともとはシャンソンの名曲であり、ジャズにおいてもとにかく色んな偉人たちが演奏していることもありアレンジの数もとんでもなくあります。演奏の仕方、コードの取り方、メロディーの付け替え、伴奏のスタイルにいたるまでとにかく無数のバリエーションがあります。

というわけで、「なんちゃって」なわれわれとしては 「それらしく聞こえる枯葉」を目指すのがスジというものでしょう。

ところで、先に謝っておかないといけないことがあるのですが、楽譜をまずはドーンと載せて、と思ったのですが、著作権の関係でテーマ譜を掲載することが出来ません。仕方ないので、#10で紹介した本を買うとか、ピースを買うとか、ネットで探してみるとか、耳コピするとか、なんとかして各自入手してください。ゴメンナサイ

ブルースと違って、いろいろと考えることも増えてきます。説明が不足するシーンも多くなりますので、がんがんコメントとか質問いただけたほうが助かります。どんどん答えます。よろしくお願いします!

さて、今回は「テーマ」の前半部分に取り組みます。まずは演奏例を聴いてもらったほうが早いかと思われます。

次に、最初に取り組むのは「テーマ(メロディ)の暗記」と「左手の伴奏型(例)の暗記」です。前者は楽譜を載せられないので、もうここでは触れません。後者については、以下の「演奏例」をごらんください。


Autumn Leaves like chords

まあ、この型の通り演奏すれば平気なので、メロディーを弾きながら演奏してみてください。とにかく、左手も右手もキッチリ覚えるまで弾き込むこと。アドリブなんかはその次です。

「ただ覚えるだけじゃイヤ」という人のために以下、ウンチクを並べておきますので取り組むもよし、です。

以下、ウンチク。

この曲のキーは Gm(平行長調は B♭)で、フラットが2つになります。出だし、Cm7→F7→B♭は、B♭major調性におけるツー・ファイヴ・ワン進行です(B♭から見たⅡm7→Ⅴ7→Ⅰだからそう呼びます。B♭キーの二度はCですね?)。次にE♭が来ますが、これはB♭から見ると4度、サブドミナントコードになります(スケール演奏においてもリディアンを使うのが普通です)。
さて、次からは"Gm調性"と解釈すべきところでしょう。Am7(♭5)、別名Aハーフ・ディミニッシュ(Aφなどと表記することもある)からD7、その後Gm6という進行は、マイナー・キーにおけるツー・ファイヴ・ワン進行となります。

つまり、長調の場合と単調の場合では、同じツー・ファイブ・ワンでもコードの構成音が違うのです。これは超重要。また、現在では深く言及しませんが、メジャー(長調)のツー・ファイブでは、Ⅴ7はナチュラルテンションを、マイナー(単調)のツー・ファイブでは、Ⅴ7はオルタードテンションを使うのが"基本"です。

また、"Gm6"という見慣れない?コードがありますが、これは「トニックマイナー」と呼ばれています。トニック、つまり基本のコードで、キーがGmですからGm6となります。この"6"の部分も重要で、ジャズの短調の曲では、マイナーキーの曲のトニックに対してナチュラルマイナースケール(6度が♭されている)ではなく、メロディックマイナー(上行系においては6度はナチュラル)を使うことが多いのです。このへんは各自の感覚なのですが、使うスケールとコードは合わせておく必要があります。Gm6を演奏するなら "ミ"の音を演奏します。Gmを演奏したり、Gm7としたりする場合もありますので参考にしておくのもいいかと思います。

さて、左手の伴奏の型ですが、なぜこのような音型なのか、というと、これは大きく2種類の型に分類されています。Aフォームといって 3-5-7-9の積み上げからスタートするもの、Bフォームといって7-9-3-5の積み上げからスタートするものがあります。それぞれどちらかになっていますから考えながら見てみるといいでしょう。ただし、ツー・ファイヴ進行のファイヴの部分は、手前の音型のうちの1音を半音下げるだけでいい響きになるので、そういう演奏をすることが多い。このへんはツー・ファイヴをセットでA/Bと分類するのが通常でしょうか。

以上、(今回の)ウンチク。

さて、まずは前半部のメロディー、コードの伴奏を徹底的に覚えましょう。

理論が好きな人は左手の型を分析してみて、コードの何度の音にあたるのか、というのを考えるのも良いでしょう。

今回は第一回ですから、まずは前半部の伴奏例を示すことに留めます。
この段階でもわからないことがたくさんあるかもしれません。随時質問コメントをくださいな。

ではでは