[なんちゃってジャズピアノ] #9 テンション(9度)を使った3579練習 | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #9 テンション(9度)を使った3579練習

皆様お世話になっております!!いかが練習お過ごしでしょうか!

本当にずっと基礎練習ばかりですね。お疲れ様です。しかし、確実に実力UPしているはずです。それも、恐ろしく。正直、多少フレーズを溜め込んで演奏してみても深さとか楽しさが足りなかったりします。それはやっぱり自分でフレーズを作り出している感じが乏しいからかもしれません。ある程度の理論と練習を踏まえて演奏してみると、「自分でやっている感」が違います。がんばりましょうね。

今回は「テンション」を使う練習です。テンションの定義を語りだすとなかなか深いところまでいくのですが、「なんちゃってジャズピアノ」としては、大胆にも 9度とか 11度とか 13度とか、あとはそれに♭とか♯とかついた音(音程)のこと、としてしまいましょう。

まず楽譜をみてみましょう。


Tension(9) Training


もちろん、曲のコード進行とか構成は思いっきり省略して、断片だけ示しています。もうみなさんブルースの進行は覚えてしまっているでしょうから割愛しても平気ですね?

さて、2種類の練習を示していることに気づくかと思います。1つ目は下から3,5,7,9度、と上がって折り返してくるパターン。もう一つは 3の後、下の5度からあがってくるパターン。この2種類をやっておくといいでしょう。あと、楽譜には示していませんが、9度から下に9-7-5-3~と下がるパターンも是非やりましょう。

今回の練習で重要なのは9度です。そして、その音はよく見てみると、スケール練習のときの 2度 の音ですね。つまり、いままでだってこの音は使っていたのです。なのになぜこれをテンションとして再練習するのか?という疑問が出てきます。

それは、アドリブにおいてテンションを使う、というとき、それがテンション的に使われるには、スケールの階段の中に存在するよりも浮かせて使うほうがそれっぽくなるからです。

ちょっと理論の話。巷の本には、テンションとセットで「テンション・リゾルブ」という概念がよく紹介されます。テンションが下のコードトーンに解決することを示した例が多い、というわけで、これのせいでそういうフレージングをしてしまいがちなのですが、それは全体の進行の中でテンションが解決しますよ、ということで、「テンションを効かせたフレージング」においてはリゾルブはまた別のことだとしてしまっても問題ないのです。上記の霊でも9度は『浮いた』配置になっていて1度を越えて7度に入っていますね。

さて、浮かせて配置する、ならスケールよりコードトーン的なアプローチのほうがしっくりきます。だから上記のような譜面例になるわけです。コードトーンの練習のときに、1,3,5,7…とジャンプしていましたね。これに9度を足して、1度を省略した。それだけのことなんです。

2種類の練習があるのは、たとえば前者の例だけ身につけてしまいますと、一本調子であがっていってしまうからです。たとえば Gm7→C7 のところで、これまでに触れた『1度→7度→(次のコードの)3度』という進行を、テンションをまじえて使うと、『3 5 7 9(ここから1音ずつ下がっていく) 1 7 (次のコードの)3 (ここからまたあがる), 5 7 9... 』とジグザグしながら昇っていく感じになります。3度が来たら上に5,7,9、ばっかりやっていると延々と上にいくわけです。そこで、3の後、下の5度にジャンプすることを覚えると、最後の9度は3度の下の9度になりますから、今度は下がっていけるわけです。『3度が来た、テンションでフレーズするぞ』と思ったときに、上にいくか下にいくかでフレーズを選べばいいわけです(例としてね)。

さて、もう一つ説明が必要な部分があります。

D7 のところ、9度が "♭9" と書いてあります。そのまんま、9度ではなく「フラット・ナインス」ということになっています。スケールのところで D7 のところはオルタード系で、ハーモニック・マイナー5th belowを使いますよ、音は D、Eb(D#)... と説明しましたね。この音です。

つまり"9度の"テンションをとりあえず使ったフレーズ、というのはスケール表を見て、ルートの一つ上の音を使えばいい、というわけなんです。なんだ簡単ですね。『なんちゃって』、ですから、今は、それでもいいんです。

さて、いままで基礎練習を続けて来ましたが、今回の説明にはコードトーンの練習も、そもそもブルースの進行も、スケールに対する記憶も要求されていることが解りました。それだけちょっとした練習や技術の中にも積み上げがあるということです。今回の譜面の例が「なんでこうなのかわからない」という人は、これまでの練習をもう一度おさらいすることをオススメします。

今回はアドリブ例はないのですが、練習方法だけ貼り付けておきますね。