[なんちゃってジャズピアノ] #6 『スケール弾き』の練習 | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #6 『スケール弾き』の練習

はいさーい! 沖縄帰りなんでそんな感じで挨拶してみました。

さて、前2回はコード・トーンを使ったアドリブを練習しました。分散和音の練習みたくなっている人は、まだ練習が足りていませんので、進む前にそちらをやってくださいね。まあ、私もできてないのですが。

今回はいわゆる「スケール弾き」の練習です。小難しい話をすると、キーとコードにあわせたアヴェイラブルなスケールとその構成音がどうのこうの、という話になるのですが、「なんちゃって」を標榜する我々としてはそんなことは必要に応じて覚えることにして、とりあえず弾いてしまいましょう

まずは次の譜面を見てください。

Scales for F Blues



さて、上から順番に見ていきましょう。ほかの例に漏れず、スケールなんて特に「覚えゲー」ですので、ひたすら頑張って覚えてください。本当はすべてのスケールについて 12のキーすべてを練習するのが良いのですが、それだと時間もかかりますし、必要に応じて、ということで。

スケールはルートから数えて何度の音が含まれるか、で名前がついています。

F7(コードトーンの練習のときは右手をF6にしていましたが、演奏する左手のコードはF7のままですよ)の部分では、"F Mixolydian" を演奏します。えふ・みくそりでぃあん、と発音します。

B♭7のところでは 同じように "B♭ Mixolydian"を弾きます。ちなみに、Mixolydianという同じスケールなので、F Mixolydianの位置とか度数の関係を B♭に移してくると同じスケールになります。当たり前なのですが、こういうことで12キーの練習をしてみるのも悪くありません。

C Mixolydian も同様です。C7のところですね。

Mixolydianは ルート、2度(=9度)、3度、(完全)4度、5度、6度、減7度、という構成で、長調(Major Scale)と比較すると7度のところが♭になっています。コードが F7とかなのですから当然ですね。むしろここだけが特徴だ、といわんばかりのスケールです。

D7のところは、同じ 7thコードなのに "D HMP5th Below" というスケールを使うことにしています。これは「でぃー・はーもにっくまいなー・ぱーふぇくとふぃふすびろう」などと発音します。長いので「えっちえむぴーご」とかいう発音でも多分通じます。「完全五度下のハーモニックマイナー」という呼び方でもいいですね。

このスケールは随分特徴的です。Mixolydianとはあまり似ていませんね。ルートから、♭9, 3, P4, 5, ♭13, ♭7といった並びになっています。読み方がよくわからん、という人は譜面をとにかく覚えてください。理屈より覚えゲーです。

なぜ D7 だけ Mixolydianでなくて HMP5th Below なのか、というと(実はmixolydianでもいいのですが)、いまのところ「そういうもんだ」と思ってください。なんちゃってを逸脱して覚えるとすれば 「マイナーコードへのドミナントモーションを形成するセブンスコードはオルタードテンション系を使うほうが効果的で、かつD7は key:F においては六度のセブンスであるから HMP5thがよくマッチする」ということでいかがでしょうか。このへんのスケールの当て方は人によっていろいろ違うのです。また、それによって個性が出るという面もあります。


最後、 Gm7 のところは "G Dorian" です。構成音はミクソリディアンの 3度をフラットにしただけ、というわけでこれも マイナーコード(=3度が♭)なわけで当然です。7度も♭なので、こうなりますね。「じー・どりあん」と発音します。

ちなみに、DorianとMixolydianは非常によく出てきますので、まじめに練習したい人は12のキーすべてでこのスケールを即座に弾けるように練習しましょう。

さて、譜面で "赤い" 音があります。これをアヴォイド・ノート(トーン)といいます。この音は、簡単にいってしまうと「あんまりこの音に長く留まらないほうがいいし、強調もしないほうがいい」音だということになります。なんかアバウトですが、使ってもいいけど強調はしないでね、ということです。理由は・・・自分でやってみるとわかります。絶対ダメ!ではなくて 使い方を考えましょうね、という意味なので、これも個性が出るポイントでもあります。

上記のスケールをまずは徹底的に曲のコードに沿って練習しましょう。「覚えた!」と思ったらアドリブに使ってみましょう。スケールの音は あんまり飛び飛びで使うのではなく、方向性を持って、上へ下へ、という風に使ったほうが最初は効果的です。慣れてくるとジグザグ階段状に並べてみたり、まっすぐ上がるとみせかけて さらに上へ飛んでから下へおりてきて・・・などといろいろと遊べます。このへんは各自練習してみましょう。

今回の動画はこちら。相変わらずグダってますが、前半は練習例、後半は適当に弾いてみた例です。コードトーンよりも、なんとなくなめらかで良いと思いませんか。