[なんちゃってジャズピアノ] #5 コードトーンのつなぎ方とアドリブ | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #5 コードトーンのつなぎ方とアドリブ

さて、前回の練習はいかがでしたか? 単調ながらも必ずためになると思います。ブルースに限らず、すべての曲で練習するのが理想です。

今回は前回練習した音たちだけでアドリブをしてみることにしましょう。1コードにつき4音しか使えません。小節が変わると音のセットが変わりますから、小節ごとに頭の中で音のセットを切り替えていく必要があります。慣れてしまうと、指が勝手に動くような感覚がありますが、そのために前回の練習はあった、というわけです。

で、アドリブをしてみると、いろいろと悩みのパターンが出てきます。

(1) なんだかアルペジオの練習をしてるみたいでカッコ悪い
 もちろん、コードトーンだけ、という制約の中ではなかなかカッコ良い!というようなアドリブもできないものですが、アルペジオの練習みたいになるときは、アプローチが「硬く」なってます。
 まず、1-3-5-7・・・みたいに隣の音を使うだけでなく、1音飛ばしたり、方向を変えてみたり、リズムを変えてみたりしましょう。
 次にもっともありがちなのが「常に第1音からフレーズをはじめてしまっていないか」というものです。コードのルートを意識するのはとても大切ですが、アドリブでは、第3音からはじめたり第7音からはじめたり、とアプローチの多様性を出せないとどうしても分散和音の練習みたいになってしまいます。ここは特に注意したいところ。
 『そんなこといっても 第3音からのフレーズなんて出てこないよ』という人。前回の練習の「転回形」のところをもっとやってください。

(2) 音が飛んでフレーズとして流れが悪い

 これもよくあります。そもそもコードトーンのうち、1,3,5とかいう音は隣り合っていませんから仕方のないことです。7度はルート(1度)からみると隣の音ですけどね。
 これは、実は「コードが変わる瞬間」にキモがあります。下の楽譜を見るとわかりますが、コードが(特に4度上に)チェンジするときに、手前のコードの1度,7度、から次のコードの3度、という風につなぐと、なんともスムーズにつながります。3音はスケールの中を隣り合うようにつながっているわけです。とにかく、コードとコードのつなぎ目をいろいろと試してみるのがオススメです。


Chord Tone Transition


いろいろと練習していると「コードトーンの練習なんて・・・」という考えも変わります。コードトーンだけでずいぶんといろいろなフレーズが出せるんです。「もう、限界!」となったとき、次は「コードにあったスケール」を使ったアプローチの出番です。これは次回から!

まずは、ひたすらコードトーン縛りでアドリブの練習をするのが良いですよ。

慣れてきたら、ブルース以外の曲をやってみるのもいいでしょう。きっと、コードトーンだけならコードネームを見ればわかる、という人もいるでしょうから、そういった方はジャズのスタンダードとかいろいろチャレンジしてみるのが上達の近道かもしれません。


今回の例動画はこちら。酒呑みすぎてグダグダですがご勘弁(笑)。コードトーンだけですよー。