[なんちゃってジャズピアノ] #2 Fブルースの右手を入れてみましょう | 白鍵と黒鍵のスキマから

[なんちゃってジャズピアノ] #2 Fブルースの右手を入れてみましょう

さて、前回のエントリで 左手と曲の構成は確認できたでしょうか。ブルースの特徴はコード進行と、"12小節"という作りにあります。

今回は右手を入れてみましょう。もっと順番を細分化していったほうがいいのですが、やる夫が「そんなのいいからはやくしてくれお!」という流れになりそうなので、一気にいきましょう。

右手はメロディーとかフレーズを弾くわけですから、かなり大事です。適当に弾いてみるとわかりますが、多分かなり前衛的な音楽になるか、黒歴史がまた1ページ刻まれるだけです。

とりあえず、使える音を決めてしまいましょう。まずは Fマイナー・ペンタトニック という「スケール」を覚えましょう。

F minor pentatonic

スケール、とは使っていい音、とか使える音を並べたもののことで、道具箱みたいなもんです。1オクターブに12音ありますが、この中からいくつかの音を選んで並べたものがスケールです。実際に演奏するときには並び順は関係ありません。

さて、上のスケールを見てみます。

まずは ファ、つまりFの音です。いま演奏しようとしているのはFのブルースですからFの音が入っているのは当然でしょうか。主人公みたいな音ですね。この音を鳴らしていればとりあえずハズレることはありません。もっとも安心感がある反面、最もつまらない音ということにもなります。当たり前すぎるからです。

次は ラの♭ (A♭) ですね。こういうもんだと覚えてください。Fのブルースは実際には Fマイナー音を借用というか、使うことが多いので Fm(Fマイナー) の第三音である ラの♭を使っています。

次は シの♭ (B♭) ですね。小難しい話をすると、Ionian Scaleではアヴォイドトーンである B♭音ですが、いま使うスケールは "F マイナー ペンタトニック"ですから問題ありません。とにかくこの音も使うことにしましょう。まずは結果重視です。

次が ド (C) ですね。ファからみると 5度 にあたります。5度の関係にある音は大抵使えます。減5度とか増5度というコードもありますから、使えないシーンももちろんあるのですが、まあ普通は使える、というわけです。 ファの音の次に安定感があります。

最後はファなので、一周しています。ということは、5種類の音しか出てこなかったことになります。この5つの音を使うと、アドリブとしては成立する、ということになります。

早速適当に弾きまくってみてください。



どうです?結構イケるでしょ? ちょっとツマンナイ、と思いますが最初はそんなもんです。ここから発展させていくわけですが、いくつかコツを出しておきたいと思います

♪ 隣の音をつなぐだけではなくて、飛ばしてみたりする (ファからシ♭とか ドからラ♭とかに行く)
♪ リズムをずらす (表の拍には鳴らさずにウラから入ってみるとか? 小節の頭に8分の休符を入れるイメージ)
♪ 三連符など速いフレーズを入れてみる
♪ ユニゾンなど同時に音を鳴らしてみる (このスケールの場合は割と自由度が高いから試す価値があります)

特に、なんちゃってジャズピアニストとしては「ユニゾン」はハッタリが効きますよ。1オクターブ離れた同じ音を鳴らすわけで、分厚さは違うし、響きはバッチリですからぜひ使いたいもんです。



ところで、普通に8分音符とか16分音符をキッチリ並べてもこれがどういうわけか様になりません。ジャズっぽい、といわせるためには、「スウィング感を出す」ことが重要です。

八分音符を「タタタタ」ではなく「タータ、タータ」と、三連符を 2:1 につなげたようなイメージで弾くわけです。が、実はこれは誤りです。

というか、音の長さを三連っぽくするのは「二の次」の問題なのです。実際に重要なのは

♪ とにかく8分だろうが16分だろうが極力音価を長くとる (8分音符なら8分音符の長さそのままに近い長さの音を出す)
♪ アクセントをウラにとる (タ ではなく タ を意識する)

これがなかなか難しい。特に後者は私も全然出来ていません。しかし、意識するだけでかわるもんです。なんちゃってなら充分です。本当にジャズピアノをやりたい人はこの練習をもっと意識して取り組むと良いでしょう。



さて、以上のことをふまえたテキトーな演奏をまた貼り付けておきます。
ヘタなのは目をつぶってもらうとして、何かの参考になれば幸いです。
コメントとかいろいろお待ちしてまーす