Episode #120 バーリンはバーリン | jazz-lyrics.com

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ジャズ詩大全電子版

アーヴィング・バーリンは一生のうち何度か音楽を正式に勉強しようとしている。彼が若きジョージ・ガーシュウィンとハームズ楽譜出版社で会ったときも、ジョージの才能に魅せられてもう一度ピアノを一からやりなおそうと思うにいたった。ちょうどアプトン基地でハーマン・ワッサーマンという傑出したピアノ教師に会い、今度は彼はハーマンについて習おうと決意した。二人は歳もほぼ同じで、レッスンを始めて見るとなかなか気があった。がしかし結果はまた同じだった。バーリンはピアノの専門的な知識がどうしても吸収できないのだ。彼らは十年後にまた同じことをくり返すのだが、これもまた同じ結果になった。バーリンはバーリンであって、だれもどうすることもできないのだ。だれもどうすることもできない。

《ジャズ詩大全》別巻アーヴィング・バーリン編より
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