いやー、今回のワールドカップも面白かった!
国家間のドロドロした確執や勝敗に影を落とした誤審問題なども含めて、全世界を巻き込んだ悲喜劇を1ヶ月に渡って楽しめた感じ。そのへんの三文ドラマより余程ドラマティックだった。
まずはスペイン代表おめでとうだね。「美しく勝利せよ」の”空飛ぶオランダ人”
ヨハン・クライフがFCバルセロナ監督時代に植え付けた、華麗なパス交換から針の穴を通すようにゴールを急襲する超攻撃的スタイルを見事に体現してた。フットボールに造詣が深いファンの多くが溜飲を下げたことだろう。
ただ単純に強さだけで言えば、オランダ戦前半のブラジルと、アルゼンチン戦のドイツがずば抜けていたように思う。守備に重きを置きながらいざボールを奪うと目を見張るスピードで攻め上がる”堅守速攻”型で、展開によっては高いポゼッションで敵を翻弄するという、おそらく次世代フットボールの主流となるであろうスタイル。
残念ながらブラジルは同点にされた途端に動揺からバランスを崩して機能を失い、ドイツはゲーム開始直後から
EURO2008のトラウマかと思うほどスペインを恐れるあまり自陣に引き籠ってしまった。新しい戦術であるが故にケース・スタディが不足していて、局面を打開できるだけの自信が無かったように映った。4年後にはメンタリティも含めて成熟した形を見せてくれるだろうと期待せずにはいられない。
プレーヤー個人を挙げるなら、やはりウルグアイの
フォルランかな。パサーとしての視野の広さ、猛禽類のようなゴールへの嗅覚、そして何より正確無比なプレースキック。チーム成績は4位ながら大会MVPに選ばれたのも納得。
99年のワールドユースでは日本がフォルラン擁するウルグアイを倒してるんだけどね…なんでこんな差が付いちゃったんだろ。日本サッカー史上最高の天才・小野が生まれるのがあと10年遅かったらと思うのは僕だけだろうか。
もう一人ひときわ輝きを放っていたのがドイツの
メスト・エジル。スピードと突破力に溢れたドリブルを武器としながら難度の高いワンタッチプレーも飄々とこなし、チャンスメイクも得点もできる稀有なファンタジスタだ。21歳にしてプレースタイルは既に洗練されており、今大会で得点王となった
ミュラーとともに順調にいけば4年後のW杯の主役を張るのは間違いない。
そして最後に、やはり今回のワールドカップを最高に盛り上げてくれた日本代表に感謝しないわけにはいかない。RPGに登場する冒険者のように一戦ごとに強くなっていく姿は、普段の生活では味わえない素晴らしい高揚感を与えてくれた。
岡田監督の付け焼き刃が偶然当たっただけで4年間の準備期間はまったくの無駄だったが、逆に言えば急な戦術変更に耐えうるだけのポテンシャルを選手たちが持っていたということ。Jリーグ発足から僅か17年でここまでの土壌ができていたわけで、やはり若手の育成と底上げはファンの応援に掛かってると言えるだろう。
欧州主要リーグを観てすげーすげー言ってた僕みたいなファンも多いと思うけど、育てゲー感覚で地元のJクラブを応援するのも楽しいよ、きっと。贔屓のチームから代表に選出されるような選手が現れたら感情移入がハンパないだろうなー。今度の休みは万博記念競技場に行こう、そうしよう。
2014ブラジル大会に向けた戦いはもう始まってると思うと今からワクワクするね!