友とコーヒーと嘘と胃袋
ミスチルは好きだけど、この曲は知らなかった。
もしかしたら聴いたら分かるかもしれないが、今の時点では知らない曲だ。
「友とコーヒーと嘘と胃袋」
四つの単語がある。
ぱっと見、関連性はない。
今まで色んな曲のタイトルでブログを書いていたが、こんなのは初めてだ。
過去に皆様がリクエストしてくれた曲名も残りわずか。
とりあえず今回はこうしよう!
この四つの単語を使って、一つのお話しを作ろう!
昨夜、深夜2時過ぎくらいだったと思う。
枕元に置いてあった携帯電話からヘビメタが流れた。
音が鳴りはじめてから、僕が起きるまでの時間は、スターターが銃を鳴らしてから100メートル走の選手が飛び出すくらいの瞬間的なものだった。
相手は親友の成瀬だった。
僕には友と呼べる人物は彼しかいない。
別に寂しくはない。
一人いれば十分だ。
成瀬は受話器の向こうで息を切らしている。
ただ事ではないのは分かった。
「今すぐ来て欲しい!」
「どうした?」
「ついに完成した!今店にいる!」
店というのはレストランだ。
レストランといっても20席くらいの小さな街の洋食レストランだ。
成瀬はそこのオーナーシェフだ。
奥さんと二人でやっている。
僕はジャージ姿にダウンジャケットを羽織り、サンダルを履き、歩いて15分程度のレストランNARUSEまでの距離をタクシーを捕まえ急いだ。
すでに閉まっているレストランは厨房だけ明かりが付いている。
僕は裏口に周り、成瀬がいる厨房に入って行った。
「おう!来たか!」
「何だよ、こんな時間に」
「まぁ、これを見てくれ!」
成瀬が指した指の先には少し大きめの皿の上に見たこともない料理が堂々と乗っている。
格闘家の握りこぶしのようにゴツい形の料理に、おそらく赤ワインを使ったソースが富士山の雪のように上からかかっている。
「出来立てだ。この店、いや、料理界を変える料理になりそうだ!食ってみるか?」
成瀬の表情は輝いていた。
電気を発明したときのエジソンも。
電話を発明したときのベルも。
おそらくこんな表情だったんじゃないだろうか?
「親友のお前に最初に食って欲しかったんだ!」
「ああ。歴史の証人になれるな。」
「ああ」
「ところでこれはどんな料理なんだ?」
「これは、キリマンジャロのコーヒー豆を独自の味付けで煮込んだものを、ライオンの胃袋に詰めて、オーブンで焼いて、赤ワインとバジルを使ったソースをかけたものだ!」
「素晴らしい!」
成瀬はこの新しい料理をナイフで切ってくれた。
中から重量感タップリの黒々した色彩の豆とコーヒーの味わい深い香りが食欲をそそる。
見ているだけで、よだれが垂れそうになる。
僕はフォークですくうようにして、口の中に入れた。
凄く柔らかく、初めてとも言える食感。
「どうだ?」
「成瀬・・・まずい・・・」
「嘘~~~~~ん!!」
もしかしたら聴いたら分かるかもしれないが、今の時点では知らない曲だ。
「友とコーヒーと嘘と胃袋」
四つの単語がある。
ぱっと見、関連性はない。
今まで色んな曲のタイトルでブログを書いていたが、こんなのは初めてだ。
過去に皆様がリクエストしてくれた曲名も残りわずか。
とりあえず今回はこうしよう!
この四つの単語を使って、一つのお話しを作ろう!
昨夜、深夜2時過ぎくらいだったと思う。
枕元に置いてあった携帯電話からヘビメタが流れた。
音が鳴りはじめてから、僕が起きるまでの時間は、スターターが銃を鳴らしてから100メートル走の選手が飛び出すくらいの瞬間的なものだった。
相手は親友の成瀬だった。
僕には友と呼べる人物は彼しかいない。
別に寂しくはない。
一人いれば十分だ。
成瀬は受話器の向こうで息を切らしている。
ただ事ではないのは分かった。
「今すぐ来て欲しい!」
「どうした?」
「ついに完成した!今店にいる!」
店というのはレストランだ。
レストランといっても20席くらいの小さな街の洋食レストランだ。
成瀬はそこのオーナーシェフだ。
奥さんと二人でやっている。
僕はジャージ姿にダウンジャケットを羽織り、サンダルを履き、歩いて15分程度のレストランNARUSEまでの距離をタクシーを捕まえ急いだ。
すでに閉まっているレストランは厨房だけ明かりが付いている。
僕は裏口に周り、成瀬がいる厨房に入って行った。
「おう!来たか!」
「何だよ、こんな時間に」
「まぁ、これを見てくれ!」
成瀬が指した指の先には少し大きめの皿の上に見たこともない料理が堂々と乗っている。
格闘家の握りこぶしのようにゴツい形の料理に、おそらく赤ワインを使ったソースが富士山の雪のように上からかかっている。
「出来立てだ。この店、いや、料理界を変える料理になりそうだ!食ってみるか?」
成瀬の表情は輝いていた。
電気を発明したときのエジソンも。
電話を発明したときのベルも。
おそらくこんな表情だったんじゃないだろうか?
「親友のお前に最初に食って欲しかったんだ!」
「ああ。歴史の証人になれるな。」
「ああ」
「ところでこれはどんな料理なんだ?」
「これは、キリマンジャロのコーヒー豆を独自の味付けで煮込んだものを、ライオンの胃袋に詰めて、オーブンで焼いて、赤ワインとバジルを使ったソースをかけたものだ!」
「素晴らしい!」
成瀬はこの新しい料理をナイフで切ってくれた。
中から重量感タップリの黒々した色彩の豆とコーヒーの味わい深い香りが食欲をそそる。
見ているだけで、よだれが垂れそうになる。
僕はフォークですくうようにして、口の中に入れた。
凄く柔らかく、初めてとも言える食感。
「どうだ?」
「成瀬・・・まずい・・・」
「嘘~~~~~ん!!」