あまり知らされてない、TPPの基本的な落とし穴 | 國體ワンワールド史観で考察するブログ

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また最近はサニワメソッドを活用したスピリチュアル関連の情報発信も行っています。


TPPについて、改めて己が無知だったと反省することがありました。

TPPの合意文書に日本語の正文がない、という事実を知りませんでした。

正文というのは、Wikipediaでは、
【 正文(せいぶん、英:authentic text)は、国際条約を確定する正式な条約文である。
  いずれかの言語からなり、複数の言語により作成されることもある。 】
となっています。

つまり、条約を締結する当事者同士が、条約の内容の確認のために立ち返る基本的な文書、
ということになります。

TPPの正文となっている言語は、英語、フランス語、スペイン語です。

日本は、TPPでは大いなる当事者の1つですが、
日本語の正文がないということは、何かTPPに関して係争が起きた場合、
日本語を参照して日本の勝ち筋を考えることができず、
常に上記3ヵ国語のどれを参照しながら和訳し、
しかも、その和訳さえも正当たりえないということになります。

表現上のニュアンスも、上記3ヵ国語での理解だけが正しいとされ、
和訳表現は「多分正しい」ということにしかなりません。

今回の正文は、当初英語とスペイン語の2ヵ国語だけの想定でしたが、
カナダ政府がケベック州などフランス語を公用語としている国民のために、
フランス語の正文を加える努力をしてフランス語を加えています。

なぜ、日本語の正文を入れる努力を政府はしなかったのでしょうか。

多くの日本人が、英語と論理的思考を分けて考えて、
英語ができれば大丈夫と思っていますが、そうではありません。
人間は、母国語で論理的思考をするようにできているので、
日本人は英語が母国語の人とは論理的な思考では絶対勝てないのです。

英語教育をして英語ができるようになれば、英語圏の人と交渉、議論できるようになる、
というのは限界があり、ある種の幻想となってしまいます。

そういうことがあるので、日本語の正文を用意して、
日本人が日本語で立ち返ることができるようにすることは大変大切です。
こういうグローバル化の落とし穴があります。

TPP自体についての賛否もありますが、それ以前に政府には、
日本が言語で不利にならないように、
国民はTPPの正文について真剣に政府に考えさせるように動くべきだと思います。