ぬいぐるみクマでもわかる。動物の社会化 | 被災地動物情報のブログ

ぬいぐるみクマでもわかる。動物の社会化

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転載はしないでくださいー。


前回 もちょこっと触れましたが、
ヨーロッパ諸国、ドイツ、イギリス、アメリカ、オーストラリアetc
多くの先進国では日本のように
ペットショップで動物を売ってません。
(以下、生体展示販売と書きます)

私もも初めてアメリカに来た時は、
ペットショップで動物が売ってなくて、
(魚や鳥、モルモットは販売してます)

「アメリカの人ってどこで動物を入手するんやろー」

ってしばらくの間、不思議でした。


と言うのもアメリカでは
動物の社会化や、
犬や猫を悪い環境で繁殖するパピーミルと呼ばれる、
悪者ブリーダーさんの存在が広く知れ渡っていて、
アメリカの多くのペットストアでは、
生体展示販売をしない傾向が強いです。

※ドイツのように違法ではないので
個人経営のようなペットストアでは
生体展示販売をしている所もあります。



“ペットの入手はペットショップから”
がメジャーな日本では想像できんことかも知れませんが、
なんでペットショップで動物の販売をしないほうがいいのか、
今日は社会化から書いていきたいと思います。





動物が生まれてから
しばらくの時間を“社会化”と言います。
この時期は動物により違いがあるけど、
犬や猫の場合は
生後8週間が社会化になります☆



子犬や子猫は生まれると、
人と同じように親や兄弟と一緒に育ちます。


お母さんのおっぱいには
病気にならないたくさんの栄養があって、
赤ちゃんのころに母乳で育った子供は、
大きくなっても健康で強い子になります。





また兄弟やお母さんと一緒に育った赤ちゃんは、
共同生活や遊びを通じて、
「どのくらい噛んだら痛いか」
「飛びかかるとお母さんに怒られる」

などなどたくさんのお行儀や
犬なら犬語を、猫なら猫語を勉強します。






このお母さんや兄弟と一緒に
育ち勉強する時期を
社会化と言います。



猫は犬ほど
グループ(群れ)で生きる動物ではないけど、
集団生活でゆるやかに社会化を身につけていきます。


そしたら日本のように、
生後間もない赤ちゃん動物が
ペットショップの狭いショーケースの中で
社会化期を一人で過ごすと、
動物たちはどうなるでしょう?




まず、健康面で
イロイロ心配ごとが出て来ます。



お母さんのおっぱいで守られていないのに、
赤ちゃんはバイ菌がたくさんいる
うんこさんやおしっこと同じショーケースで暮らし、
24時間営業のペットショップでは
1日中光に照らされぐっすり眠ることもできません。

これでは病気になっても仕方ありません。

またお母さんから
うんこさんは食べ物ではない事を
教えてもらっていない子は
うんこさんを食べてしまったり、
なかなかトイレの場所を覚えられなかったりします。






モチロン、人が根気よく動物に教えることもできるけど、
犬語や猫語を覚えていない動物たちは、
日本語がわからないのに英語の宿題をするのと同じように、
人の言葉を聞いても
理解できないことが多いです。


赤ちゃんのころに
遊びながら勉強することをしなかった動物が
ペットショップから人の家に連れてこられると言うのは
突然言葉も文化も違う国に放り込まれるのと同じこと。

ほかの動物や人がしゃべる言葉や
態度が理解できなくて、
パニックになってしまいます。


パニックになった犬や猫は
すごくたくさん吠えたり、
人やほかの動物が近づかないように
うなって威嚇したり、
すぐに噛みついたり、引っかいてしまったりと、
人の手に負えないような
たくさんの問題行動を起こす事も少なくありません。



これらは、
大きくなってから
正しいトレーニングを受ければある程度改善できますが、
好奇心旺盛な子供のころと違い、
大きくなった動物たちは
用心深く、臆病で、傷つきやすくなっています。



出来れば動物たちに、
そんな苦しい経験や、
難しくなってから勉強させたくないですよね?


それで外国では
赤ちゃんがお母さんや兄弟と
楽しく勉強している間は
離れ離れにならないように、
生後8週間の動物を売ったり、譲ったりすることを
法律で禁止して、
動物の未来を守っているんです。





これが外国のペットショップで
動物を売らない理由の一つ



次はもうひとつ理由
“子犬工場。パピーミル”に続きます~☆