吾輩の猫が親になるのかもしれない

吾輩の猫が親になるのかもしれない

他猫を一切寄せ付けない孤高の黒猫クレオの記録。

Amebaでブログを始めよう!
まずは、皆様にこの元気な姿をご報告。


吾輩の猫が親になるのかもしれない-白いお腹



白いお腹が若干痛々しいですが、
本人は至って元気です。



じつは、獣医さんに究極の選択を迫られている。
①クレオにもう一度妊娠するチャンスを与えるか、
②避妊手術をするか。

①の場合、
今回の事ですっかりへたってしまった子宮を元気な状態に戻してあげなければならない。
そのためには2週に渡るホルモン治療が必要。
ただ、それでまた妊娠しても、今回と同じ結果になるリスクは付きまとう。

②は、言葉通り。
子宮摘出 = もう子供は望めない = 一生単頭飼い決定。


何がクレオにとって良い選択なのか、自分の願望が邪魔をして
決められずにいた。




さて、
落ち込んでばかりもいられないので、
色々な答えを求めて動物保護センターに行ってみた。

そこは、犬やあらゆる小動物、特に猫達の保護に力を入れている施設で、
人間の勝手で不幸を背負わされた動物たちのために18人のボランティアの方々が
日夜働いておられる。


もしもそこに子猫がいれば・・・

という不純な動機も正直あった。
でも、現場を見てそんな薄っぺらな自分を恥じる事になる。

そこには現在15匹の犬と、54匹の猫が暮らしている。
猫舎の入り口には大きなプラカードが掲げてあり、

『私達に新しいお家を下さい。』

『あなたの猫にならせて下さい。』

と書いてあった。

覚悟を決めて中に入ると、小さな小部屋が5つと大きなプレイルームが二つ。
小部屋にはそれぞれ3~5匹の猫達が収容されていた。
おそらくもう何年もここにいるのだろうなと思われる老猫や、
まだ若いけれども性格や体に問題を抱えているために里親が見つからない子、
6ヶ月の仔猫達も居た。

仔猫たちはクレオそっくりだった。
きっとクレオの子はこんなだったんだろうなぁ。
思わず涙・・・

イカン、そんな感傷に浸るために来たんじゃないのだ!


「じゃあお前は何のために来たのか?」


・・・


その答えを知るために来たのだと思う。



猫舎を出ると、

『動物たちの後援者(あしながおじさん)になりませんか?』

というパンフレットが目に入った。
若い猫や仔猫たちは比較的すぐに飼い主が見つかるが、
そうでない子達はその一生を保護施設で過ごすことになる。
そんな、引き取り手のない子達の後援者になって
保護活動を金銭的に支えて欲しいという内容だった。

早速、受付のお姉さんにお話を伺う。
後援者になる方法は二通り。
①特定の猫(又は犬)のスポンサーになり、その子のために毎月一定額の寄付をし、
遊びに来て一緒に時間を過ごしたりする。

②保護施設の活動全般のために、毎月一定額の寄付をする。

クレオの性格を考えると、他猫をウチに引き取ることは難しい。
そうでなければ、そこに居る子を全員連れて帰りたかった。

クレオの性格と、最近の出来事についてお姉さんに説明すると、
お姉さんはまず、私が繁殖目的で雄猫を物色に来たのではないかと勘違いし、
ちょっとキツ目に、
『避妊手術していない猫の居る家庭には、里子に出せないことになっています。』
と仰った。
慌てて否定すると、静かに、動物保護の実情を話をしてくださった。

その施設では、この一年間で150匹の仔猫を保護したそうだ。
みんな、ヒトに望まれずに産まれてきた子達だった。
その内3分の2は里親が見つかり、残りは施設で死んでしまった。
県内の施設全部を合わせると、500匹以上の仔猫が捨てられたそうだ。

500匹・・・

淡々と語るお姉さん。
でも、その表情がすべてを物語っている。

望まれても産まれてきてくれない命がある裏で、
望まれずに生まれてきて捨てられる命がある。


ここに来た理由が見付かった。

これを見なければ、知らなければ、
私は今後もクレオの子供にこだわっただろう。

でも、そうじゃないんだ。
動物を愛するって、そうじゃないんだ。

これからどうするのか、
今まで見えていなかった道がもう一本あった。