歌以外にもコーラス、作詞家として活動中。
ここは幼い頃から書きためた言葉達の収納場所。
表向きに製作しているものではないのでこっそり見てくださいね。
110311
あなたの生まれたばかりの力で
ばらばらに噛み砕かれるならそれでもいい
あなたの鎖骨とのどぼとけを繋ぐのがあたしの役目だから
もっと叫んでいいんだよ、枯れるまで。
枯れたっていいんだよ、滲み出した生温い声は
他の誰にも届きやしないんだから。
終わらない無限ループがスパイラル
きっと心はいつだって上の空、偽者。群青色。
右脳に頼り切った頭じゃ何も浮かばないの
ただアルコールで体の隙間という隙間を埋めたい
あなたの隙間という隙間を埋めたい
あたしで。小さな球体。卵。
羽をうまぁくまるめてかためてみた
それを耳にぶら下げたら飛べるような気がしてた
爛れ落ちてしまうほどの輝きはもう今はない
でもその夜を煮詰めて搾り出した群青色
泣きたいのに視界を塞いでしまうの
どうせあなたにだって届きやしない。
終わったってあなたの匂いがスパイラル
どうしたって忘れられない奇跡の傷跡
お願いだから、
もっと刻んで。もっと傷つけて。
心はいつだって自由なの
右脳はいつだって宙ぶらりん
頑なに拒み続けてよ
どうせ意味なんて無いんだから。
でもだって、どうしたって、
小さな球体を構成するもっともっと小さな粒の
そのどれもがしっかりと発してる。
群青色。
届けようなんてこれっぽっちも思ってない。
あなたはどこにもいないんだから。
夢の中ですらただの傷跡。
引き裂く強さでもって傷つけて帰って消えて。
絶望の合図
だから、
そう憂いてばかりいないで
あなたは私の偽者
心の表面張力に肖ったツワモノ
何かにつけて涙降らせるから
あなただけは絶望の瞬間
その合図に気づいて
リセットするために失うなら
大人になるために失うなら
呼吸を失うためには何がいるの
鏡の世界は意外にも堅実で
オプティミストの憂鬱なんて高が知れていて
こじつけた真実に無理矢理色をつける
だから、
そう憂いてばかりいないで
映す先は足元の下の下
心のコアに則ってピュシスを屠る
嘘しかつけない私の救世主なんでしょあなたは
ごめんなさいと何度繰り返してもあなたは
無条件に私の全部を創るあなたは
本当は愛していないと目の前で
真っ白な平手打ちに遮られた涙で
もっと降らせて 絶望の合図
080207
ヘブン
計算だかい出来ごころでうかべた薄笑いたちを
大胆な臆病ものが犯し続けていたなら
カトリーヌは死ななかっただろう
彼女はずっと待っていたのさ
なまえの無いうつくしくてぶあつい絵本の表紙を
細い冷たい手がやぶり捨ててしまわなければ
エリザベスは天文学の果実を宿した
彼女は待っていたかったんだ
もううしなうものを失くしてしまった器の裏がわを
ただひとつの12本弦が涙で濡らしたなら
メアリはその翼をもがれなかった
彼女はいつまで待っていたの?
ただひたすらに信じていたのは ヘブン
おそらく確実に増えていく最果てのことば
永遠を信じない運命の羅列が ヘブン
ひらり かわした宇宙
もう誰もここからいなくならないで
080104
ジュビリー
アルカリ性のわたしのために。
ねぇジュビリー
裏腹の一滴 気持ちが遠いんだ
寂しさ血みどろ いくら突っ込まれても
埋めてしまった隙間 あなたには近づけない
快楽には孤独が
孤独には快楽が
笑えるほど染み込んでるでしょ
泣けないあなたの弱さ
涙を泳ぐわたしの弱さ
笑えるほど神様の権化
ほらジュビリー
知ったかぶった愛情 ちゃんとわかってる
八方美人なロック 美辞麗句でもって
冷たくなることしか知らない指 舐めて
押し寄せる津波の中に
ただひたすら離れたがる魂
真っ白い世界はどこ?
磨かれない女のからだ
行き場が無いのはタール
唯一の性感帯はここ
もっとわかりやすくジュビリー
理屈にしか生きれないジュビリー
中途半端から生まれたジュビリー
どうしても輝けない塊体がジュビリー
ぜーんぶフェイク
もっと強かったなら。
行き着く先にあなたがいてくれたら。
何度も言ったじゃん。
残さず全部食べてくれなきゃやだって。
もっと優しかったなら。
もがきながらもあなたを傷つけないのに。
ジュビリー。
よろこびのうた。
アルカリ性のあなたのために。
071225
リセットファルセット
あなたに胡椒をかけたなら
その声にはもう二度と届かない
燻ってばかりいる夜グルメなわたし
焦ってばかりいる今非タフなわたし
もっと歌って もっともっともっと
後悔を食べるのはわたしの役目
あなたに砂糖を塗したなら
その頬にはもう決して触れられない
訝しげなわたしに穴をあけて
嬉しげなわたしをべたべた触って
もっと笑って もっともっともっと
満足を吐き出すのはあなたの役目
このバランスを守り抜くため
の
リセット
世界が反転 あの日駆け上がったもみの木
世界は逆転 あの日打ち付けられた空の懐
思い出したらすぐにわかる空と羽の秘密
忘れられたならすぐに見つかるファルセット
まっしろじゃなかった自分がモノクロを剥ぐとき 痛い
まっくろだったこの夜の空がパレットを脱ぐとき もっと
まっかになってしまったこの瞳が血を飲むとき 嫌だ
まっっさおな涙をあなたがその唇で舐めるとき もっと
うたって わらって なきながら はえたツバサ
このふかふかは とげとげで ぐちゃぐちゃ
これがほんとうの弱い 飛べない 汚い わたし
そのふわふわは びしょびしょで ぐしょぐしょ
そう うたって わらって だけどなきながら
また
腐りかけた肩甲骨からがりがり懐かしい音を立てて
役に立たない"それ"はスパイラルでちゅうぶらりん
生ぬるい体が産み落とした最後のトカゲを連れて行く
から
そのため
の
リセット
「一緒に飛べるかな…?」
071221
言い訳サウナ
おいしい言い訳をしようか
翼の痕が消えた理由
サウナの空気が溢れ出した理由
もくもく
もくもくもくもく
まざる白息 すりガラスの粉と一緒
優しい言い訳をしようか
その細い体が生まれた理由
サウナの涙が止まらない理由
どくどく
どくどくどくどく
合わさるため息 乾ききった雪と一緒
それは、まるで果実だった
それは、まるで嵐だった
それは、まるで天国だったんだ
希望の絶たれた色で塗ったくられた窓辺
情熱の香りがまぜこぜになって漂う場所
白いため息とおんなじ、真っ白い空
すぐに届きそうで腕を伸ばした
それは、まるで最後の切り札
それは、まるで色のない果実の嵐
それは、まるで君を失った天国
サウナ、
それは絶望の窓辺
君が生まれきった後、翼を奪われた、誰か、の話
伸ばした腕はもう何も掴めない
なぜって
言い訳サウナ
071216
タール14
まるで防御のないセックスのようだ
それは突然繰り返しむせ返る甘さでもって
たったそれだけの重さ
重なる前にいなくなる手軽さ
その吐き出す息を
酸がたち込める生ぬるい空気を
この肺いっぱいに満たされたなら小さな器は幸せになる
絡まればすぐに用無しでしょ、意味、ないでしょ
だから裏切ることの重さ
重なる前にいなくなる手軽さ
同じ言葉と同じ空気と同じ世界で同じ行為を
五感が焦げてなくなってしまうくらいに
やり遂げて見せてよ
忙しない身体をずっとずっと
解放されない身体をずっとずっと
続ければいいじゃない
午後八時に飲み込むもの
十秒後に吐き出すもの
それをずっと続ければいいじゃない
いつか五感だけであなたを捕らえる
その全てがタール14
中途半端な産物
手軽には逃げられない約束
いつかのチェルシーみたいに
また呟くおそらく低く暗く長く重くこの唇が
その綺麗な指を咥え込むようにして
そうしたらもう音は鳴らない
音も無くタール14
重ならないタール14
満たされないタール14
だからずっとそうして続けてればいいじゃない
いつかあなたがこの器だけを必要とする日まで
071214
真昼の月
からだが、じゃまだ。
耳が腐れ落ちるほど
もう何度繰り返しただろう
消えてなくなってしまいたいと
つきが、なんでだか午後の空に残ってて
行き場所がないみたいにそこにぽつんって 居て
それは自分のようであなたのようで
透明になりきれない
まだこんなんなってまで、まだ、照らされたいと願ってる
なんてわがままなんだろう
それでいて、なに?
ただただ、見上げては足元に視線を戻す
そうだ多分、この、体がおんなだから。
やっぱり、からだが邪魔をする
もしも
この目が針金のように細く
この声が100歳のおばあさまのような貫禄をもち
まな板のような胸で
金属バットみたいな腕で
羽のない背中だったら
オレリアンのような背丈で見下ろし
紫の疲れ果てた蝶のような唇で
嵐のように攻め立てたなら
きっと、あなたの瞳にうつらない。
うつさないで。
それをもっと、ダイレクトにわからせてくれればいいのに。
全部、もう、いらないのに。
こい、とか、あい、とか、すき、とか、やきもち、とか、
このからだが、おんなじゃなければ
もっとあなたのことがわかるのに
もっとあなたの近くにいけるのに
もっとあなたを遠ざけることができるのに
おんなじゃなければよかったよ
真昼の月は透きとおれない
うそばっかり、
それでいて
なに。
からだがいつもいつも、いつも邪魔をする
飽きるほど繰り返すんだろう この先も
消えてなくなってしまいたいと
071210
ただいまの場所
緑の中に君の声を
風の中に君の音を
それが確かなものになってくときに
僕はとてつもない小さな嵐の中にいた
確かに近付いてくる君の声が
夜の渦巻く音をふりきるスピードで
幸せで苦しくて
僕はとてつもない小さな小さな嵐の中にいた
霞んで見えない視界の中で
ガラクタの山から君は現れた
小さな光に照らされて寒い夜
愛しい姿と共に
これだけはほんとなんだよ
ちっぽけな世界でも
あたしの地球はあなたでまわってる
これだけはほんとなんだよ
なんも見えなくなりそうでも
こんなちっぽけな胸の中に
あなただけが光りながらいる
壊れそうなくらい
ここに
だからいつでもかえっておいで
いつでも僕が
君のただいまの場所
061018