ラッフルズ・ホームズの冒険 / J・K・バンクス ① | jakeのブログ 

jakeのブログ 

夫・父親・会社員・社労士有資格者・アマチュアミュージシャン・・・

いろんなキャラをこなしながら日々思ったこと・感じたことなんかを書いてみます。

先日読み終えた1冊です。


J・K・バンクス:著『ラッフルズ・ホームズの冒険』。

別の本を探すことが目的で向かった自宅からウン十分ほどのところにある大型書店で偶然見つけた1冊で、帯の“父は探偵、祖父は怪盗。サラブレット名探偵、現る”に魅かれて購入しました。

主人公はシャーロック・ホームズの“息子”、ラッフルズ・ホームズ。
シャーロック・ホームズは自身の信条から女性と距離を置いていたので「その息子」が登場するとなると、その信条の変化(=伴侶を持つこと)から説明することが必須。

そのあたりは、例えば、過去に読んだ『シャーロックホームズの息子』 『ホームズ2世のロシア秘録』(いずれもフリーマントル作)では、本家・ホームズ(ドイル作品)に出てくるあの大事件をきっかけにするという、なかなかに説得力のある説明をしていましたし、ホームズの生涯を1冊にまとめた超大作『シャーロック・ホームズ ~ ガス燈に浮かぶその生涯 ~ 』では、とある名探偵がホームズの息子であるとし、その背景を大空白時代のロマンスに求め(余談ですが、ホームズが伴侶を得る話では、僕はこの設定が一番好きです)、これまたなかなかに説得力のあるものとなっていました。

じゃあ本作は…といいますと、「設定的に面白けりゃ、それでいいんじゃね~の?」なんて感覚だったのか、まさかの「○○○○○」(ネタバレしないよう、伏せておきます)という、非常にあっさりとしたもの。

格式(=ホームズ・ファンが納得するような設定)を重んじる傾向が多い(それがまた、読者の楽しみでもある)ホームズ・パスティーシュのなかで、ここまであっさりと「そういうもんなの!」なんて感じでやられると、その
“潔さ”が、かえって新鮮にすら感じました(^^)。



“息子”という設定もさることながら、本作主人公の
最大の特徴が、ホームズの息子らしい「探偵」のセンスを持つ一方で、本の“帯”に記されているとおり、彼が祖父から受け継いだという「怪盗」のセンスもあわせ持っていること。

そのため極端な話、自分で盗みを犯しておきながら、自分でそれを解決して報酬を得る…という自己完結(?)もできてしまうという…(^^;)。

それって早い話が“詐欺”じゃん!って話なのですが、その“犯罪”を完結させるまでの物語がとにかく面白く、かつ痛快なので、「おいおい…」と思いつつも(^^;)、最後まで楽しく読んでしまいました。



この怪盗としてのセンスは「ラッフルズ」から受け継いだもの…とされているのですが、この怪盗「ラッフルズ」は、イギリスの小説家:E・W・ホーナングが創作した怪盗紳士(「ラッフルズとバーニー・ふたりで泥棒を」ほか。残念ながら僕は読んだことがありません)なのだとか。

したがって、この作品は「ホームズ」(ドイル)のパスティーシュであると同時に、「ラッフルズ」(ホーナング)のパスティーシュでもあるという、特徴も持っています。


ちなみに、このホーナングとコナン・ドイルとは親戚関係(義理の弟)で、本作の作者:J・K・バンクス自身もコナン・ドイルと親交があった…という物語上だけではなく、「リアルな人間関係」もあったという点も、興味深いですね(^^)。



この本にはもう1つ、面白い物語が掲載されていて…




ラッフルズ・ホームズの冒険 (論創海外ミステリ)/論創社
¥2,160
Amazon.co.jp



【イベントのご案内】
アコースティック・ギター・インスト・デュオ“お気軽GIG”のライブが決定しました!

『 第9回 春の音楽祭 うだつの上がるアコースティック・ライブ 』

 
日時:平成27年5月2日(土)10:30~14:30


場所:美濃市・うだつの上がる町並み内・ポケットパーク
(地図はこちら
    ※町並みの中央あたり「美濃市観光協会・観光案内所「番屋」の“はす向かい”です)

我々“お気軽GIG”の出演は「13:30~:14:00」の予定です。

皆様のご来場をお待ちしております!