2015年」1月25日(日)~3月14日(土)


ラピュタ阿佐ヶ谷にて上映






1955年制作 青柳信雄監督 舟橋聖一原作

キャスト


岡田茉莉子:神岡夏子  杉村春子(母):神岡らく

佐久間:志村喬  川島:森重久弥


川島の妻由美:一の宮あつ子

おでん屋の親父:山田巳之助


きみ荘おかみ:沢村貞子

芸者延千代:中北千枝子


露枝:楠トシエ 山田:藤木悠   モノクロ




大会社の楠見社長と言う人の、愛人となって

暮らしていた、小夏だったが、社長が死んで


身の振り方を考えなければならなくなった。



漫然と、もう芸者とか、お妾さんとかを

するのに抵抗があり、何とか、女が


自立出来ないものかと思案している時

亡くなった社長の部下だった森繁さんが


ちょくちょく訪れてはこの先を心配してくれる。



森繁さんは、小夏が好きで、ほんとなら自分が

小夏の面倒見たいのだけど、二人の子供が


居て、うちへ帰れば恐妻家で、自宅で結婚相談所

みたいな事してる一の宮あつ子さんがいて、


小夏と先の事を相談するとかこつけて

お酒飲んでにんまり家に帰るとあつ子さんが、


「遅いじゃありませんか」声を荒げ、「明日は

日曜日ですから、子供たちと遊んであげて


下さいね」と言われると小夏さんとデパート

行く約束があるものだから、「仕事で行けない」


と断り、あつ子さんがプリプリしてるのを

無視してあつ子さんは、枕持って一階で


子供たちと寝ちゃうんですが、森繁さんが

狂言回し的で笑ってしまいます。


森繁さんは、ある時、死んだ社長の親友だった

志村喬さんに事情を話すと、志村さんが満更


でもないんですね~朋輩芸者の中北さんに

相談したり置屋の沢村貞子さんに相談



しても、所詮この道に入ったものは、堅気

には、なれないと説得されて、志村さんに


抱かれてしまうんですが、志村さんの艶っぽい

役初めて観ました。岡田茉莉子さんと抱き合う


シーンは観てる方がドキドキ、金持ちらしく

生活費というかお手当厚い袋にどっさり、


森繁さんは、小夏が気になって時々

訪れるのですが、ある時、買い物に


付き合って、伊勢丹デパートに行くんですが

昭和30年頃だと、家にお風呂が有るうちって

そんなに無かった時代なんですね、

所謂、昭和の木で楕円形に出来た


お風呂がいくつも並べて売ってるんです。
この時代、皆銭湯に行っていたと思いますが


芸者さんとか、水商売の人は白い眼で

観られて肩身が狭かったようなんですね。


そこへ、森繁さんが、号外持って茉莉子さんに

見せると、志村さんが汚職の疑いで逮捕


されるらしいと書いてあり、急いで家に

帰った夜、雨の中、庭の方から、ずぶ濡れで


帰ってきて、茉莉子さんに30万円の小切手

渡すんですが、「いらないわ」と言って、


火鉢の火で燃やし、二人は固く抱き合う

のでした。



翌朝、警察が迎えにきて、志村さんは

連行されて行ってしまいました。


一人ぼっちになってしまった茉莉子さんは

庭から見える富士山を観て、悲しみを


堪えます。



前年に公開された『芸者小夏』の続編

だそうで、昭和30年代はまだ、女性の


自立って難しかったのかと、つくづく

実感しました・・・・





画像はグーグルサイトから

お借りしました。