1958年制作  フランス、イタリア制作

ジャック・タチ監督、脚本、出演


キャスト

ユロ伯父さん:ジャック・タチ

アルペル氏:ジャン=ピエール・ゾラ


アルペル夫人:アドリアンヌ・セルヴァンティ

隣家の女性:ドミニク・マリー


ピシャール:ルシアン・フレジス

ジョルジェット:イヴォンヌ・アルノー


子役ジェラール・アルペル:アラン・ベクール


ジャック・タチさんをご存知の方いらっしゃる

かしら?



わたし、この映画は今から50年以上前に観て、

それまで観てきた映画と違って、喜劇なんですが、


ゲラゲラ笑う事の無い、クスクスとおかしな映画で、

ジャック・タチはセリフを喋らず、特にストーリーの


無い、ブルジョワと庶民の生活を対比させ、音楽も

シャンソン風なテンポの良い音楽が最後まで、使われ、


今回観て驚きましたが、今、観ても全く違和感なく、

当時は、解らなかったですが、チャップリンを彷彿させ


パントマイム的でもあり世の中を批判しているのでは

なく、そういうギャップを、ジャック・タチも楽しんで


いるように思えました、「ぼくの伯父さん」シリーズは

3本ありましたけど、わたしが観たのは、この一本


だけで、これだけ内容覚えていたのは、当時とても

面白く観られたからでしょう。






この、超モダンな家はゴムホース会社の社長の

アルペル氏の家族の家で、家の佇まいが、もう、


クスクスしてしまう可笑しさがあります。上の写真の

中央に、口を半開きにした魚のオブジェが有り


玄関のブザーが鳴るとアルペル夫人は、家族なら

そのまま、塀を開け、客なら、スイッチを入れると


魚の口からショボイ噴水が出て、客を迎えます。

金持ちなんだけど、ケチでもあるシーンで、


愉快です。下の写真は隣家のご婦人が、「まぁ、素適な

おうちざますこと」みたいな事言いながら、アルペル夫人の


所に行こうとしますが、白い道がS字状の超モダン

過ぎて、お互いあらぬ方を見てます・・・・



一方、アルペル夫人の甥である、ユロ伯父さんは

下町の陽気で、賑やかな人々が住むアパートに


住んでますが、姉夫婦の家とは対照的で、正面

玄関から入り、右に階段を昇り、住人とすれ違い


3階の建物に着くと、左に階段を降り、数段登った

左上の3階がユロ伯父さんの家で、玄関入ると


姿が見えなくなったり、あれ?と思う所から、姿が

見えたり、クスクス可笑しいんです。


無職らしくて、アルペル夫婦は自分のホース制作の

会社に雇いますが、この会社もすべて、オートマチックで


サラリーマンに向かないユロ伯父さんはスイッチの

押し方を間違えます、そうすると、真っ赤なホースが


ソーセージのようになったり、風船のようになったり

するのが、機械に振り回されてる感じで、クスクス


可笑しいのです。





息子のジェラールに取っては、遊んでくれるし

学校に向かえに来てくれるし、泥遊びも


一緒にしてくれるし、楽しい伯父さんですが、

独り身はよくないと隣家の夫人と見合いさせる


ことになって、隣家の女性が、塀の外のブザーを

鳴らすと、赤と白の派手で大きなストールを


巻きつけた女性が現れたので、アルペル氏は、

「ウチはカーペットは要らないよ」とツンケン言うと


その女性がユロ伯父さんの見合い相手で、この

シーンも愉快でした。



モダンな庭に知人夫婦も招いて、魚のオブジェの

所にテーブル持ち出し、見合いが始まりますが



こういう席が苦手のユロ伯父さんは、落ち着きが

無く、ドタバタし始めると、地面に刺す超モダンな


カクテル置くとんがったものが、魚のオブジェの

どこかに突き刺さり、魚の口から、水が止まり


ユロ伯父さんの足元から、ピューツと出て

最初は伯父さん必死に足で押さえていますが


間に合わなくなって、知人男性が修理し始めるの

ですが、あっという間に深い穴掘って、魚の口から


泥水出て来て、てんやわんや、そこへ、隣家の

女性の恋人らしき男性登場というオチで終わります。


ジャック・タチの仕草が笑わせてくれます。



いつも、このように、帽子をかぶり、トレンチコート

でしょうか、丈の短いコートにズボン丈も短く


パイプは離さず、足底で、パイプをポンポンと

叩くようすなど全ての動きがパントマイムみたいで


思わず笑ってしまうシーンばかりで、とても

50年以上も昔の映画とは、思えませんでした・・・・




画像はグーグルサイトから

お借りしました。