sonaのブログ


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1953年制作 木下恵介監督 結末まで書きます。


キャスト

母:望月優子 娘:桂木洋子 息子:田浦正巳

上原謙 高杉早苗 佐田啓二



木下恵介監督の代表作と言われる『二十四の瞳』

『喜びも悲しみも幾年月』など、何本か観た事


ありますが、この『日本の悲劇』については、

今回の特集で初めて知って、観ましたが


この映画も大変な力作と思いますが

他の作品と較べて知名度が、低いのは


どうしてかな?と思いました。




物語の舞台は昭和28年頃の熱海です。

戦争が終わって8年、当時の世相の


ニュース映像が流れたりしますが、庶民の

暮らしは困難を極め、人々の気持ちも荒み


そんな中、戦争未亡人となった、春子は

女手一つ、二人の幼い姉弟をかかえて


生きるため、かつぎ屋、時には盗みもして、

今は義兄夫婦に姉弟を預けて、熱海の


旅館で、酔客相手に、身を売るような事も

して、必死に子供達を育てていました


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春子が、懸命に働いている時、叔父夫婦から

ひどい仕打ちを受け、春子の夫の土地と家だった


財産を、叔父夫婦にだまし取られ、姉弟は、

追い出されて、二人は仕方なく母の居る旅館に


行って見るのですが、そこで観た母と客の

慣れなれしい様子を見てショックを受け、


母の貧しさを軽蔑し、恥ずかしいと思うように

なってしまいます。


子供に観られた事も知らず春子は、きっぷの

よい芸者として、ギター流しの常連を座敷に


上げたり、


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この、ギター弾きが、佐田啓二さんで、

♪「湯の町エレジー」を歌うのですが、哀愁を


帯びた声で、春子さんの心情を思うと

胸に響きます。


一方二人は、母に頼らずに生きて行こうと

しますが、所詮、春子さんの仕送りが無ければ


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立ち行かなくなるしで、弟は医科大学に通い

姉は、ミシン工場で働きながら裁縫を習得し


英語塾に通うようになりますが、成長するに

従って、春子さんに冷たく接するようになり


それでも、春子さんの生きがいは、二人の

事ですが、姉弟は母から逃げようととするのです。


姉は通っている英語塾の先生、上原謙に

言い寄られ、母のせいでまともな所へは


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嫁に行けないとひねくれた娘になって


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上原謙の奥さん,高杉早苗さんの激しい

嫉妬も鼻であしらい、愛してもいない


上原謙と駆け落ちしてしまい、慌てた、春子さんは、

急きょ上京し、弟の所へ相談に行くのですが、


弟は戦争で息子を亡くした資産家の医者の

養子になることを、母に相談なく決めて


ただただ、籍を移してくれと、そればかり


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春子さんは反対しますが、弟は聞く耳持たずで

冷たくあしらう・・・・・


子供達に裏切られ、客の進めで、少しでも

金を増やそうと、株に手を出し失敗した


春子さんは、絶望して、湯河原駅のホームに

入って来た列車に飛び込んでしまいます。



望月優子さんの、戦争未亡人、生きていくためには

お金にすがるしかなかった、戦後社会の混乱に


翻弄され、親子の断絶を演じる姿は、鬼気迫る

ものがありました。


息子に「お母さんは、酒と男しか知らないバカだ!」

と、なじられるシーンで、言われた内容より


『お前におかあさんと言われて嬉しい』と言う

セリフがあるのですが、今まで、お母さんと


呼んだ事がない親子だったのかと思うと

なんだか、切なく、涙でしたね~







画像はグーグルサイトから

お借りしました。