$言葉をつむぐ☆りゅういち


30度を超す暑さのなか
僕は名鉄大野町駅で電車を降りた


COFFEE エルザの文字が飛びこんできた

暑い アイス珈琲を飲んで涼もう

そう思った僕は店の前の看板
世界最古の大野海水浴場が気になりながら店に入った


喫茶店にお客はいない

Tシャツに短パン 
カールのかかったロン毛の男性店長がひとり

アイス珈琲をゆっくりと飲みほし
グラスの中の氷も一個づつかじった

お代を払う際に店長に聞いてみた

なぜ世界最古の海水浴場なんですか

湯治 病気療養のために 
ここの海水浴場が利用されていたんです
確か1211年鎌倉時代の頃からです

伊勢湾が望めて 夕陽がとってもキレイな場所ですよ

そう言って店長は
僕の抱えた白いオリンパス・ペン・カメラを見た




$言葉をつむぐ☆りゅういち



$言葉をつむぐ☆りゅういち


世界最古の海水浴場

誰もいなかったが すでに真夏の暑さだった

伊勢湾が望め 遠くにタンカーが何隻も浮かんでいる

空にはセントレア空港へ降りてくる飛行機

二機の風力発電の大きなプロペラが回っていた

海からの風に 潮の香りがする