『松濱軒(しょうひんけん)』 〈国指定名勝〉は
旧肥後藩八代(やつしろ)城主 三代 松井直之が元禄元年(1688)
に生母 崇芳院尼(すうほういんに)のために建てた御茶屋である。
★松濱軒
この時代は八代海を見渡す浜辺に位置しており
松風も聞かれたというのが邸名の由来である。
代々の藩主も多く清遊を試み、通称「浜のお茶屋」の名で知られた。
現在は干拓で都市化が進み海からは遠く雄大な眺望をのぞむことはできないが
大名庭園として江戸時代初期の形状をよく今に伝えている。
昭和に入り天皇・皇后両陛下の行幸啓を仰ぎ
以後も皇室の方々のお成りの栄に欲した。
陛下はこの池の微生物、かたつむり、かきつばた
肥後菖蒲に殊の外ご興味をお寄せになったという。
今の時季は肥後菖蒲が力強い花を開き、肥後の香を漂わせている。
古くからあった赤女ヶ池、赤女ヶ森がそのまま庭園に取り
いれてあり点在する多層塔、石灯篭等がよく調和している。
園内には伏見の稲荷大明神を歓請した稲荷神社をはじめ
歴代の子供達の成長を祈念した児宮、菅原道真公を奉祀の天神社
愛馬の守護神馬頭観音が鎮座する。
昔はこの森を赤女ヶ森と言い古くから狐が住みついて
夜は鳴き声を聞き昼間でもお互いに戯れ合って遊んでいる姿を見たと云われている。
松井家の参勤交代のおり
御供揃えをしてみると護衛の侍が必ず一人多く
即ち狐の代表が一匹護衛に加わっていたという説がある。
この付近の信仰者が油揚げをお供えすると
いつのまにか消え去っている事が最近まであったと言われている・・・・とか。。。
明治3年八代城主が固有となったため
十代章之が増築して松濱軒に住居を移し現在に至っている。
松濱軒
八代市北の丸町3-15
9:00~17:00 休:月
tel:0965-33-0171
本日は以上です。