建て方(金物チェックや、JIO躯体検査) | MBCハウスで建てる鹿児島の家(ブログ)

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家の構造は自分なりにこだわりました。ハウスメーカー選び、家の仕様、家造りの際のトラブル、採用してよかった点、住んでみてからの感想などを正直に書きます。今後みなさんの家造りの参考になれば幸いです。


■建て方



先日、「土台」が設置されましたので「建て方」に入ります。
今回、マイホームの建て方を経験して、新しい発見、注意しないといけないポイントなど、私なりに感じたことを書きます。

建て方の時は2×4工法ほど神経質になる必要はないのですが、軸組工法でもできれば雨は避けたいです。
現場監督と打ち合わせの段階で「建て方前日までに降水確率50%以上なら延期」というお願いをしておきました。


建て方の前日、降水確率20%の晴れ予報だったので決行です。
週間天気予報でも晴れが数日続く絶好の天気です。


ですが、その夜、まさかの天気予報大外れ。(台風が接近していた影響で)
透湿防水シートは屋根に仮固定されていましたが、柱などは水浸しになってしまいました。

建て方の雨

今は木材の乾燥技術も進んでおり、木材内部の含水率に大きな影響はなく、それに翌日以降は晴れが続くので問題無いですが、残念でした。(2×4工法の建て方の際、雨は厳禁ですが、軸組工法でもできれば剛床は雨には当たらない方がいいと思われます)


建て方は早いです。クレーン車を使っての作業に、複数の大工さんの協力で組み立てられます。

建て方


途中、斜め方向に薄い木材が入ります。これは「仮筋かい」といって、柱の垂直と梁の水平を確認しながら軸組を仮固定する大切な木材です。下げ振りや水準器を使って柱の倒れを修正し、柱を垂直に仕上げます。

仮筋かい



耐震性において大事なポイントは金物チェックと、耐力壁が正しく設置してあるか。の2点です。

前回記事に書いたように、阪神淡路大震災で倒壊した住宅の主な原因は4つあり、
その中でも、現場の確認が必要となるのは接合部の緊結の確認です。


阪神淡路大震災では“土台や柱の引き抜け”によって倒壊したケースが多く、それ以降、建築基準法の改正によって金物の設置が義務付けられました。
金物が、建物を強固にする目的であれば、少し付け忘れがあっても大丈夫かもしれませんが、柱や梁の引抜けを防ぐ目的である以上、キッチリと設置しなければなりません。


以下の写真は、記念すべき1回目の建築基準法の時に建てられた、約60年前の住宅(昭和31年2月上棟)の解体現場の写真です。

当然ながら接合部補強金物は1つもありません。

建築基準法1回目

屋根もルーフィング(防水シート)は無い時代です。木材でしょうか?ボロボロで分かりません。

建築基準法1回目2



MBCハウスに限らず、現在の木造住宅において、金物はいたる所に設置してあります。
(柱のかど金物、土台と基礎にアンカーボルト、柱の引抜きを防ぐホールダウン金物、柱と梁の接合部、梁と梁などの構造材を接合する羽子板ボルト、梁の継手を補強する短冊金物、屋根のひねり金物などと、大事な金物はたくさんあります)

MBCハウスで使用する金物は接合補強金物で圧倒的なシェアを占めるカネシンです。その中の、3層コートされたプロイズシリーズを使用します。

金物  継手金物



屋根のひねり金物は垂木を母屋や桁に緊結して屋根が風圧で吹き上げられないようにする役割があります。

MBCハウスでは一見するとひねり金物は付け忘れ?と感じてしまいましたが『タルキック2』と呼ばれる垂木留め専用のビスで固定されています。
タルキック2

タルキックが施工されているか気になる方は“目視プレートの取付け”を打ち合わせの段階でお願いした方が良いかもしれません。



金物の種類、取り付ける位置は、それぞれ設計によって変わります。
私は図面と照らし合わせながら金物の種類、場所、各金物に付いているネジもそれぞれ適切か確認しました。
今回はすべて適切に設置してありました。


金物のチェックは、自分で時間をかけてするのも良いですが、ほとんどの建築会社では瑕疵担保保険に入っています。(MBCハウスはJIO‘ジオ’と呼ばれる保険)
その保険では、第三者機関による検査を行います。これは、施主の希望ではなく姉歯事件以降、保証金の供託、もしくは建築会社の保険加入が義務化されています。


そのJIOの躯体検査は金物チェックも含まれます。
私は事前に建物のチェックを入念に行っていた事もあり、JIOの躯体検査はあまり重視していなかったのですが、今回、検査に立ち会ってメリットを感じました。


JIOの検査の方はプロなので、金物を図面と照らし合わせてチェックするのですが、自分でするより断然早いです。当然、設計上の金物と同等以上か、すぐに判断できます。
ただし、JIOの検査の方は一人で来られます。
個人的な意見ですが、きっちりチェックしていただける方と、そうでない方もいらっしゃるかもしれません。

正直、金物が多少抜けていても建物が崩れるわけではなく、よほど目立つミスがない限り現在の住宅は瑕疵担保保険の10年程度は耐えられる事がほとんどだと思います。


金物チェックは、JIOの躯体検査(所要時間20~40分程度)の際に立ち会い、『JIOの方がしっかりと図面と見比べながら金物をチェックしているか』その作業を、施主は見届けることが大切だと思います。

私の場合はJIOの方に「金物は大切だと思っているのでチェックをお願いします」と直接話をしましたので、解説付きでしっかりやっていただけました。(勉強になりました、ありがとうございました。)

jio躯体検査2


JIOの方は、あらかじめ現場に置いてある設計監理書を見ながら検査をされます。(必ず金物チェックは図面との見比べが必要)
この時、施主も図面の見方がわからなかったとしても、MBC開発からもらう「設計監理書」の金物のページを開き、JIOの方の後ろをついて回る事は大事だと思います。

今回JIOの方が言われるには、現在鹿児島県内でJIOに500社以上登録していて、そのうちMBC開発を含めて6社だけが、JIOの本社を介して施工会社に“施工ミスの内容を報告”する決まりになっているそうです。




設計で計算した通りの耐震性を出すには、その耐力壁の“釘の打ち方”が大事です。

釘の間隔 と 釘のめり込みがないか

この2点がそろって初めて耐力壁になります。


釘の間隔は、ダイライトパネル上に線(釘の間隔)が印刷されているので確認は簡単です。

釘の2~3mm以上の“めり込み”を見つけた場合、その釘の隣に正しく留めるようにすることと、事前に「釘を打ち込む機械の空気圧を弱めにして下さい」と伝えても良いかもしれません。

めり込みを起こすとパンチングシアを起こし耐力壁の割れ、外れを引き起こします。


耐力壁にもいろいろ種類があります。七呂建設さんなどのイシンホームで使われているパーティクルボードは壁倍率が高く設計上も優位ですが、私は健康と、長持ちする家を考えた場合に透湿抵抗が低い、ダイライトに優位性があると考えています。

↓釘の間隔は線が印刷されており、わかりやすい。間柱が付いてない所(右の中通りなど)はまだ釘留めしてないです

ダイライトパネル



現在の住宅は釘やビスが大量に使われています。2×4工法や現在の軸組工法では釘の精度が耐震性に大きく関わります。
建築途中の現場を見ると分かりますが、毎日の終業時に、しっかり片付けをされる大工さんは耐力壁などの釘の打ち忘れなども少ないように感じます。

私が建築中の現場を見た中でフチケンホームの棟梁は整理整頓が特に出来ていました。片付けがきちんとできているから、施工精度が高いとは限らないかもしれませんが、少なくとも施工が丁寧であることは想像できます。

今回、私の家を担当されている棟梁は、施工も丁寧で技術もありますが、終業時の片付けもキチっとされています。

整理整頓


躯体検査後、日を改めてJIOの外装下地の検査(屋根の防水シート、サッシ周り、スリーブの防水処理、壁の透湿防水シートの確認)がありました。


次回、これまでの施工の失敗と対応、その他、防水に関わる外装下地の確認について書きます。



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