■打撃を受けるリース業界・企業にとっての見掛け上の財務体質悪化リスク

IFRS(国際会計基準)導入によって、リースの資産計上の基準が強化される。リースのメリットが減るため、リース業界にとっては大きなマイナスの影響が予想される。また、企業にとっては資産が増大し、見掛け上、負債が大きくなり、財務体質が悪化することになる。また、企業がリースから買い取りに転換した場合では、平準化していた支出が、設備投資時期に大きく増大するため、利益の変動リスクが大きくなることになる。


■短期レンタルがリスク回避には有効だが高すぎる

この事態を回避するためには、たとえば、3年契約のリースが1年更新の短期レンタルになれば可能である。1年たてば解約自由のレンタルであれば、資産計上しないで済む。しかし、短期レンタルでは業者が短期で資金回収するため、リースに比べるとはるかに高い値段、2-3倍になってしまうことがある。それでは、とても恒常的に利用する設備では高すぎてリースに代わることができない。


■リース並みにレンタル料金を抑制する秘訣は何か?

ではどうすればよいのだろうか?答えは簡単である。1年で解約されても、それを再レンタルできたり、または、中古商品として残価で売り捌くビジネスモデルを構築すればよいわけである。そうすれば、ある程度リース並みに価格を抑制してレンタル料金を設定することができる。しかし、そのためには、煩雑なレンタルに関するロジスティックスを構築して取引を行うノウハウが必要である。一方でそのようなノウハウを構築することは容易ではないため、いったん構築してしまえば非常に大きな参入障壁になろう。


■レンタルビジネスはどの業界に当てはまるのか?

第一にある程度規模が大きく中古市場が確立している業界である。第二に景気に左右されずに安定的に需要が推移するものが望ましい。景気が悪いと一年たった商品が一斉に返却されると収益が一気に悪化するリスクがあるため、ビジネスとしては脆弱性が高いといえる。そうすると、企業が運営される限り必要となる機器においてそのようなビジネスが成り立つだろう。


■いつの時代も変革者は新規参入者

しかし、上記のことは自明のことだが、はたして既存のプレイヤーが大胆にビジネスを変換できるだろうか?おそらく難しいだろう。そうすると新規のベンチャービジネスがこの分野でおそらく飛躍すると思われる。実際にわたくしが注目しているベンチャービジネスがこのビジネスモデルをある分野で取り組んでいる。おそらく、うまく機能すれば飛躍的に伸びることになるだろう。そういった企業を発掘して調査し紹介していきたいと思う。


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