「とみさん」は富士見町にある飲み屋さん。行政区分では台という地域になるのだが台の中にも富士見町・戸ヶ崎町・末広町などの自治会が存在しており、私の個人的な感覚では隣町に古くからある飲み屋さんという存在だ。「とみさん」は富士見町に店をかまえて半世紀近くになるそうだ。お店も「とみさん」もレトロそのもの。
正確に言えば48年、私が2歳の時からこの店は存在している。これはスゴイことだ。「とみさん」自身もスゴイがそれを支えてきた常連さんがいることもスゴイ。レトロというには過去形のイメージがある。「とみさん」のレトロは現在進行形なのだ。
お店においてある8トラックは「カラオケ」のはしりだ。8トラックなど見たこともない世代が多くなっていると思うので少し説明しておくが、8トラックのカラオケは文庫本2冊ほどの大きさ。そのカセットをプレーヤーに入れるとカラオケが流れる。なぜ8トラックと呼ぶかというと録音できる部分が8つあるからだ。普通のカセットテープは2チャンネル、つまり右からの音と左からの音で録音する部分を2つ使う。8トラックはその部分が平行して4つある特殊なテープである。残念ながら、8トラックのカラオケは故障しており使えない。しかし、そこに置いてあるだけで良いのだ。「とみさん」もそこにいてくれるだけで良いのだ。
現在進行形のレトロが残っている町。なんて素敵なのだろう。