歴史に残る提灯 その2(提灯修理) | 伊予提灯工房日記

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愛媛県西条市の提灯工房です。
伊予提灯工房HPはこちら⇒http://iyoc2010.jimdo.com

変わった提灯の修理の続きです。

前回

http://ameblo.jp/iyoc2010/entry-11515241587.html

は、壊れた提灯を預かったところまでをお話しました。


提灯修理開始ビックリマーク

表から直す方が簡単なのですが、

同じ色の紙はありませんし、

色が変わってしまっているところもありまして、

できるだけ元の状態にするため、

裏から直すことにしました。


まず裏から補修用の和紙をあてて、
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表から微調整しながら貼りつけていきます。
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強度を考えて、

厚さの違う和紙を使ったり、

また、和紙には縦横があるので、

横で貼ったり、縦で貼ったり、

試行錯誤しならが少しづつ直しました。

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使った和紙は土佐の手漉き和紙。

使った量はB4ぐらいでしょうか。

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やっと、破れているところと破れそうなところの

修復完了!!


ワクワクしながら開いてみたら、

あちこちに凹みが出てしまいましたガーン

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和紙を貼った部分とそうでない部分で、

和紙の強さの違いが出てうまく開かないようです。


再び、裏から和紙を貼って

開いてチェックして、

また別なところが凹んで、

また和紙を貼ってを繰り返し。

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和紙を縦に細長く貼っている部分が

新たに貼ったところです。


うまく開くようになったのですが、

今度は丸く膨らみませんショック!

本の下敷きになったため全体に変形している感じです。

今度は中に補強用の糸を通すことにしました。

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開いた後も、いろいろ微調整してやっと完成ビックリマーク

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下記のhpに載っている画像とほぼ同じところ迄

直すことができました。

http://www.asaho.com/jpn/bkno/2007/1210.html

外から見ただけでは修復した箇所が

ほぼ分からないと思います。

直すことが出来てホッとしてます。


後は何日間かこのままにしておいて、

形が変わらいかと、

畳んで箱に詰めて送るので、

何日間か箱詰めして、その後開いても

ちゃん膨らんでくれるのかチャック。

うまく行ったので本当に完了クラッカー


東京へ送った後、

早稲田大学の教授から、嬉しいメールを頂きました。

「本日、大学で日独防共協定の祝賀提灯を受け取りました。

本当に見事に修理ができていて、

きれいに飾ることができました。

ありがとうございました。

第二次世界大戦を引き起こした重大な協定の象徴
ですので、これは大切に保存したいと思います。

ありがとうございました。」


歴史に残る提灯と出会う事ができ、

また、自分の歳より

はるかに古い提灯を修理することができて、

とても嬉しく思います。

この提灯はまた何十年も時を重ね、

そして、戦争があったことを伝えていってほしいと思います。


提灯、和紙の灯りのご用命は、

四国 愛媛県西条市 祭り提灯製作販売

伊予提灯工房 日野 徹

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  (ホームページ、4月15日更新しました。)