『日本仏教十三宗ここが違う』
真言宗…加藤精一著

今回は天台宗と同時期、
弘法大師空海によって
開かれた真言宗です。

延暦二十三年(804)、
弘法大師空海は遣唐使の留学僧として、
唐に渡りました。
(この時、別の船に
天台宗を開いた最澄上人が乗船)
大師は長安の青龍寺を訪ね
恵果和尚に師事し、
両部(大悲胎蔵、金剛界)の秘教を
相承します。

元和元年、延暦二十五年(806)に帰国。
真言宗が開かれました。

ご本尊
大日如来
(全ての神仏・諸尊は例外なしに
大日如来の応化身と見ます。
どの諸尊をお祀りしていても、
大日如来の化身となります)
この考えを図示したのが、
胎蔵マンダラと金剛界のマンダラです。

根本経典
大日経
金剛頂経

教義
『十往心思想』
人間の心のあり方・価値観、
宗教などは10種類に大別されます。
第一住心
食欲と性欲の赴くまま
自由に行動する人。
第二住心
道徳的な反省が出来る人。
第三住心
神話の神や天のはからいが、
信じられる人
第四住心
仏教に目覚めます。
ここから南方仏教、
大乗仏教へと進み、
次第に反省が進んで
第十住心へと到ります。
この境地はマンダラ中心の
大日如来の心、
一切の原点とされています。

宇宙に遍満する法身大日は、
全てのものに宿っています。
私達の中にも。
大日を究明していく事は、
私達凡夫の心を究明する事です。
(究明すべき大日如来は
この胸にも宿っていました)
そして日々精進して生きていきます。

分流
新義
豊山派 奈良・長谷寺
智山派 京都・智積院
新義派 和歌山・根来寺
古義
高野山真言宗を中心とする各派



密教はインドのヒンズー教が
源流とされますが、
私にはシルクロードを経由して
古代ローマのミトラ教、
ペルシャのマニ教が
インドのヒンズー教と融合したように思えます。
ミトラ教は密教宗教で
主祭神は太陽神ミトラス。
マニ教は拝火教のゾロアスター教、
他にキリスト教やユダヤ教、
グノーシス主義を取り込み、
一つに融合しています。
密教は各地の思想が
マンダラのように混ざり合い、
日本はさらに多くが集約され
巨大なマンダラのように。

主な寺院
和歌山県 高野山金剛峯寺、根来寺(新義派)
奈良県 長谷寺(豊山派)
京都府 智積院(智山派)
秋田県 地元では岩本山信正寺など

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