南米チリの大地震による津波から一夜明けた1日、宮城県内では、気仙沼市や石巻市など太平洋沿岸の全15市町の約7万世帯(19万1109人)に出ていた避難指示や勧告が解除され、避難所はすべて閉鎖された。

 津波は落ち着いたが、北部沿岸地域では深刻な漁業被害が明らかになってきている。漁業者は沖に出て養殖施設の被害を確認したり、浸水の被害を受けた市民らが後かたづけに追われていた。

 「年に300万円稼いでいたのに今年はゼロ。収穫の目前だったのに」。気仙沼市の昆布養殖業尾形利正さん(65)は嘆く。気仙沼湾で育てた昆布の養殖いかだが気仙沼魚市場前まで約2キロ流されるなど、津波は大きな被害をもたらした。

 気仙沼湾は細長く、水深が浅いため、津波の流速は上がり、特に内湾の養殖施設が大きな被害。県漁協気仙沼総合支所によると、被害額は5億円を超えるとみられる。

 ノリの養殖が盛んな塩釜市の離島、浦戸諸島でも、収穫が近いノリなどに被害。朴島では「生産額は5000万円を見込んでいたが、ゼロだ」と県漁協塩釜市浦戸東部支所の内海光雄さん(60)は残念そうだ。

 市水産課によると、ノリの生産額や施設の改修費を含めると、浦戸諸島の被害額だけで2億円ほどになる。市全体では「かなりの額に上る」(同課)としている。

 県内産カキの出荷額6割を占める石巻市では、牡鹿半島西部の県漁協各支所に大きな被害が集中。いずれも養殖棚の固定ロープなどが切れ、隣接の養殖棚に絡んだケースが大半だ。東部支所では2年ものの来シーズン用のカキ養殖棚に5割近くも被害が出ている。

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