映画 インビクタス 感想。 | 岩日記

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劇場映画感想。

「インビクタス」 10
最近ツボる映画を連発されているイーストウッド監督ですが
これも期待通りの面白さでした。

反アパルトヘイト運動で30年近く投獄されていた
ネルソンマンデラが釈放されて選挙で大統領になるあたりは
前フリでさくっと流して
マンデラさんが南アフリカ代表のラグビーチームの
試合を通じて国を団結に導くという
政治とスポーツとヒューマンドラマの良いとこ取りみたいな
そんな見応えある内容になっています。

こないだのチェ2部作もですけど
こういう世界史に残るような人物を主人公にすると
かなりエピソードを絞らないととても描ききれないんですよね
この映画はその点ラグビーワールドカップに的を絞って
もの凄くよくまとまってると思います。

マンデラさんが大統領になって
白人だらけのラグビー代表チームは
すぐに解散させられようとするんですが
マンデラさんはちょっと待て、と
全会一致で白人チーム解散で盛り上がる集会に乗り込んで
目先の小さな復讐みたいなことしても国はまとまらないと
むしろ存続させて白人も取り込もうとする
先を見たスケールの大きな政治ビジョンを語るわけですよ
マンデラさんを演じるのはモーガンフリーマン先生なので
カリスマ性も説得力も申し分なしですw

人員が足りない大統領警護の増員に
あっさり白人を起用して
白人にわだかまりを残す黒人シークレットサービスたちが
やがてその白人たちと仕事を通じて打ち解けていったり

白人だらけのラグビーチーム主将のマットデイモンは
マンデラの人間のスケールに衝撃を受け
弱かったラグビーチームを全力で立て直し
南アフリカに対する愛国心のようなものが芽生えて
ワールドカップに挑みます

こういういくつものドラマが同時進行しつつ
いつものジワジワとくる抑えた視点で展開していきます

政治やヒューマンで進行して
要所はスポーツで一気に盛り上がる構成も最高ですね

クライマックスで白人のマットデイモンが円陣を組んで
祖国の声を聞け、と檄を飛ばすシーンは
そういう劇的な台詞がまったく浮かないんですよね
むしろ鳥肌ものでした

なのでいつもの神の視点みたいな淡々とした感じのラストじゃなく
今回はイーストウッド師匠の映画にしては
けっこうすっきり盛り上がって終わる映画なんじゃないですかねw