午前10:00過ぎ
全部屋の掃除機もすませ、ホッと一息。
どこかかしらの1レースが終わっている頃合である。早速どのような結果が出ているであろうか?などと、思いつつパソコンの電源を入れると、愛しき我が息子が言ってきた。

「YouTubeみたいw」

...しばし無言になる。
鬼の居ぬまのなんとやらの如く、嫁の居ぬまのオッズチェックが、出来なくなるのである。しかしながら息子の邪気の無い笑顔を見てしまうと...

「そうか!11:00までだぞw オメメが悪くなるからなw 時間を守るんだぞwww」

やはり親馬鹿である。

自分の欲求より息子の欲求が最優先となってしまう。いつからか?このようになってしまったのは?放蕩無頼の青春時代を送り、感謝されるより恨まれる事の数の方が多く、また、それらの恨みを、逆にギフトリボンを付けて送り返すような鬼畜を絵に書いたような男であったのに...。

今となってはセン馬である。
玉無しである...。

そんな事を考えつつ、スマートフォンでレース結果を検索していると、最近始めたTwitterに通知が届いた。確認すると、フォロー相手の覆面馬主7号さんが、小倉のレースで大口を取ったらしい。

「はいどーん!!!」

ムカツクのである...。

非常にムカツクのである...。

確かに勝手に敬愛している会った事も無き人生の先輩だが、博奕の類になると、話は別問題となってしまう。様は羨ましいのである。

そんな自分を再確認出来ると、やはりまだまだ自分はセン馬でも無ければアテ馬でも無い!と、いう気持ちが出てくると同時に闘志の炎がメラメラと燃え上がって来るのであった。

午前11:00過ぎ
そろそろ各方面から電話やLINEを通じて今日の狙いどころを聞きにくる馬仲間や社長連中の相手をどうするか?などと、思いつつブログに投稿する文面を思案する。

やはり日曜日は俄然燃える。

何故なら、多少なりともブログやTwitterを、わざわざ見に来てくれて私の買い目や私の考えに「イイね」ボタンを押してくれる方々がいるからだ。

「やらいでか」
この一言である。

然しながら、投稿する文面には非常に気を使う。堅苦しく投稿すれば、読む気が失せるし、砕けすぎると、真面目に考えて無いと思われかねない...。

やはり、掴みはフザけつつも、最後はしっくり来るような...例えるならB級グルメの様な文面でいかなければ...などと、勝手に自分の思いに、これまた勝手に悦を抱き、昨晩完成させた指数表を睨む事、しばし。

数分、中山記念の事を妄想し、これは当たるな...などと、1人でニヤついていると、最愛の妻が買い物から帰って来た。

開口一番こうである。

「あんた!電話したけど、何ででないの!?」

すまぬ、スマホを4台所有してる身なので、日曜はサイレントモードにしてあるのだ。

運悪く、プライベート用までサイレンモードになっていたのは、青天の霹靂。

続けてこうである。

「まーた競馬かい?借金してるんじゃ無いでしょうね!!!!!?????」

思わぬ言いがかりである。

妻に言ってやりたい言葉が1つだけある。

「我が名はソラチモンジ!真の博奕打ちである!幾多の修羅場を掻い潜り抜け!事、博奕に関して言えば鬼も避ける男である!」

様は借金までするほど博奕が下手では無い。

負けた日に貯金だ!こんなもん!利子つけて返してもらうぜ!とか、投資だからいつかは倍になって戻って来る!

などと、酔狂な方々とは無縁の世界で青春時代を過ごして来たのである。

100円負けても悔しいのである。心の底から悔しいのである。人様の的中報告など見てしまった日には、1日45本吸う煙草の量が44本まで減ってしまうのである。
殊更、自分の予想が外れ、人様の予想が的中した日には1日10杯は飲むブラックコーヒーを砂糖ミルク入のコーヒーに変えて追加で20杯飲むような男である。

勝負の場が雀荘でならこう言うであろう。

「コーヒー頼むわ!アリアリでなっ!!!」

そろそろNozooo君との最終確認の時間が近づいて来た。

続く。