最近よく夢を見る。
寝てる間に見るやつだ。夜とか、二度寝とか、電車の中でうつらとか。

夢の中で鳥のように空を飛んだことは一度もないし、未開の地に踏み入れたようなこともない。
過去に出会った人々との少し不思議な日常が繰り返されるだけだ。
だいたい大したことはない。

のだが、最近何らかの目的地があり、そこは夢の中では確固たる存在であり、憧れているような場所なのであるが、夢の中でそこへのルートが明確に見えている。実際に到達しているわけではないが、手中に収めたような感覚に陥る。ひどく安心している自分に気づく。その安心感を繰り返しているうちに目が覚める。
勿論起きても手の中には何もなく、肌寒い朝の空気や雑然とした電車内に戻るだけだ。


夢は何かの暗示だとすると、ボクは何かに到達するための方法を知っているのか。その術を手に入れているのか。

答えはNOであり、悩みながらの毎日だ。悩むこと自体を悪いこととは思ってないどころか、悩みを忘れ何かに到達した瞬間に駄目になるような気さえしている。

分かることは大事なのだが、全部分かってしまうと表現者として死ぬ。現に作者や役者の悩みが伝わるものは面白いし、「こうすればいいんでしょ」っていう意識が届くと途端につまらなくなる。
分かるから悩み、それが分かるから次を悩む。そのサイクルが理想なのかも知れない。

今、見る夢にはその悩みの部分が見えない。安心したいという深層心理のためなのか。それとも、悩むところにたどり着けなくなる暗示なのか。

夢の中での圧倒的な安心感の後、ボクは不安になる。そして現実のボクが何にもたどり着けてないことに安心し、ちょっと悲しくもなる。


夢診断とか出来る方、もっと深い意味がありましたら教えて下さいまし。