アラン・ブラインダー「日米独は財政拡大を」 | 幸福実現党 伊藤希望のブログ 東京1区(千代田区、港区、新宿区)

幸福実現党 伊藤希望のブログ 東京1区(千代田区、港区、新宿区)

幸福実現党の党員&HS政経塾の塾生、伊藤希望のブログです。衆議院選挙の東京選挙区で東京一区(千代田区、港区、新宿区)での政治活動を担当しています。

本日の日経新聞の経済教室で

プリンストン大学のアラン・ブラインダーが

「日米独は財政拡大をすべきである」と寄稿しています。


要旨を紹介します。


---------------------------------------------

米国などの多くの国は

「ラインハート=ロゴフ=ミンスキー型(RRM型)」の

不況に陥っている。


RRM型不況の原因は、

裏付けのない(※資産に見合わない)

負債の膨張にある。


これに対してケインズ型不況の原因は需要減であり、

多くは中央銀行の高金利政策が引き起こす。

ケインズ型不況には金融政策と財政政策で対応できる。



RRM型不況の回復が難しい理由は、


1、不動産や銀行などの複数部門が打撃を受けるため

2、家計と企業が借金を返すために、倹約に走るので、

 消費が冷え込み景気が後退するためである。


このような状態のもとで、

政府も借金の返済を行うと

RRM型景気後退に加えケインズ型景気後退を引き起こしかねない。


だから、金利の低いアメリカ、ドイツ、日本の政府は

緊縮財政をすべきではない。



景気後退に対して、

金融政策で対応すべきとの考えもあるが、

名目金利がゼロに近いため、

出来る金融政策は非伝統的金融政策しかない。


しかし、非伝統的金融政策の効果は限定的である。


(アメリカの景気回復を

非伝統的金融政策で行おうとしている)

FRBは堤防の穴に指を差し込んで

洪水を食い止めたオランダの少年に似てきた。


バーナンキ議長の決意は見上げたものだが、

水かさは増しており、

指よりもセメント(※財政拡大)が望ましい。


---------------------------------------------


というわけで、

今の景気後退には金融政策よりも財政出動が望ましい、

という主張でした。


一読して、

なぜケインズ型より深刻な景気後退であるRRM型不況に

金融政策ナシで立ち向かわなければならないのか、

という疑問がわいてきます。


その理由として

「非伝統的金融政策は効かない」

といってますが、

非伝統的金融政策が効くか効かないかは

中央銀行が購入する資産の種類と量で

変わってくると思います。


中央銀行が10兆円も100兆円も資産を購入しながら、

資産市場に何の影響も出てこないなんてことは考えられません。


本論の前半部分には賛成ですが、

後半部分はあまり賛成できません。


この部分に関しては学者の間でも意見が分かれるところですが…。



やれば分かることなので

ここは、財政出動の中身を議論したほうが

建設的かもしれません。


まず一つ言えることは

一度お金を出したら、

ずっとお金を出し続けなければいけなくなるような

お金の使い方はだめだということです。


一回の投資で、継続的に富を生み出せるものでなければ、

ただの補助金になってしまいます。


・代替エネルギー開発

・農業の近代化

・宇宙・海洋開発など


新しい価値を創造する方向で

財政出動を考えるべきと思います。


〈蛇足〉

(また、細かい話ですが、

「政府の債務圧縮でケインズ型景気後退が発生する」

とありますが、

RRM型景気後退が発生すれば

つみあがった負債を返済するために、

企業や家計は消費を減らすので、

需要は減少し、

政府の債務圧縮がなくても

ケインズ型景気後退も発生するように思います…。)