久々に、最高裁のスカッとする判断です:
保険金年金の二重課税認定=処分取り消し命令―国の逆転敗訴確定・最高裁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100706-00000036-jij-soci
”夫の死亡で支払われた生命保険の特約年金に、相続税に加えて所得税を課すのは二重課税に当たるとして、長崎市の無職女性(49)が国に課税取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(那須弘平裁判長)は6日、二重課税を禁じた所得税法に違反するとして、国が勝訴した二審判決を破棄し、課税処分の取り消しを命じた。国の敗訴が確定した。
同種保険の契約は少なくとも数百万件に上るとみられる。二重課税と認定されたことで、大量の返還請求が出る可能性もあり、大きな影響が出そうだ。
女性は夫が死亡した2002年、死亡時の保険金4000万円に加え、230万円を10年間受け取る年金の初年分を保険会社から受け取った。これに対し税務署は、年金を雑所得とみなして所得税を課税した。
訴訟では、相続税の課税対象となる年金に、さらに所得税を課すことが二重課税に当たるかが争点となった。国側は、相続税の対象となるのは年金を受給する権利で、毎年現金で受け取る年金とは異なると主張していた。
判決で第3小法廷は「年金受給権と年金の経済的価値は同一で、所得税の課税対象とはならない」との初判断を示した。
一審長崎地裁は二重課税を認め、所得税の課税処分取り消しを命令。これに対し、二審福岡高裁は、年金受給権は年金と同じ資産とは言えず、課税は妥当として訴えを退けていた。”
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至極妥当な判断ですが、そもそも、高裁判断で二重課税が妥当としていた裁判官の常識を疑います。
年金受給権は、年金を受け取る権利であって、それ自体は現金化されていない(言い換えれば、未実現の所得)わけですから、それに相続税課税しているのであれば、それが現金化された段階で更に所得税を課すのは明らかに二重課税です。
これを読まれている方々の中にも、税金を余計に取られている方もいらっしゃるかもしれないので気を付けて下さいね。