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是より鶏鳴に起きて遠山に至り、
或は柴を刈り薪を伐り之をひさぎ、
夜は縄をなひ草鞋を作り、
寸陰を惜しみ身を労し心を尽し、
母の心を安んじ二弟を養ふことにのみ労苦せり。
而して採薪の往返にも大学の書を懐にして
途中歩みながら之を誦し少しも怠らず。
これ先生聖賢の学の初なり。
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それから鶏が鳴く頃には起きて、山に登って、
柴を刈ったり、薪を採ったりしてこれを売っていた。
また夜は縄をしめて草鞋を作るなど、時間を惜しんで
身を尽くし心を尽くし、母親を安心させて、二人の弟を
養うことに懸命に頑張った。
そして、薪を採りに行く途中にも「大学」を懐に入れて
ちょっとずつ読み進めるなど、勉強をサボらなかった。
これが二宮先生の素晴らしい学びの第一歩である。
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まじめだ。継続は力なりと言うけれど、続かないもの。
それを苦労を背負い込みまくりながら、実現してしまう。
いや、意外と人って苦労を背負い込んでいる方が、少し
くらいの苦労をいっぺんに背負ってしまえるのかも。
自分の負荷を高め続けていくことだなーと思う。
楽になることなんて、止まる以外にはなさそうだ。
でも、楽にやったって、楽しいとは限らない。
だから、できないこと、やれそうもないことに挑み
結果を残していくことが大事なんだと思うし、それが
本当に楽しいことなんだと思う。