ダルビッシュ初登板で初勝利＜大リーグ＞イチローの着眼点は

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ダル降板イチローの着眼点は

イチロー　３安打よりダルに感心「プライドが見えた」

イチローらしい独特の着眼点だった。

＜大リーグ＞ダルビッシュ初登板で初勝利　日本人８人目　

チームは６年契約を結んだ期待の右腕を先発４番手においた。重圧のかからない位置で投げさせていく配慮だ。大リーグでは投手は２５歳以降に全盛期を迎えると考えられている。将来のエース候補として６年がかりで育てる考えだ。

　◇ア・リーグ　マリナーズ５―１１レンジャーズ（２０１２年４月９日　アーリントン）

　マリナーズのイチローは９日、アーリントンでのレンジャーズ戦に「３番・右翼」で先発出場し、５打数３安打だった。

　ダルビッシュから３安打を放ったことには多くを語らず、降板する時の様子が「一番印象に残りましたね」と話した。

　塁上から見送るイチローには、その思いがわかった。「帽子を取ったりしたら大したことないと思ったけど、『この内容では』というプライドが見えた」と振り返った。

　「ダッグアウトに下がっていくとき（ファンに向かって）帽子を取らなかった姿がすごくよかった。この内容では…というプライドが見えた」とイチロー。
「あれだけ歓声を浴びて、グッと何か内に秘めているものがあったはず」と、納得のいかないメジャー初勝利となった、右腕の気持ちを推し量った。

　　六回途中５失点で降板するダルビッシュにファンは総立ちで拍手を送ったが、ダルビッシュは「こんな投球で申し訳ないと思った」と思い、手を振ることも帽子を取ることもしなかった。

　２連覇した０９年ワールド・ベースボール・クラシックでは、ともに日本代表だった。「ダルビッシュが大リーグで初めて対戦した日本人が僕だった。その流れはいいなあと思った」とイチロー。「日本選手の評価を変えたい」と海を渡ってきた後輩を意気に感じている。

　２人の勝負物語はここから始まる。イチローは「楽しみかどうか、何打席も重ねていかないと分からない」。受けて立つイチローをその気にさせるかはダルビッシュ次第だろう。この日の勝負にダルビッシュは不満げだ。「イチローさんはすごい選手。でも、今日は誰に対しても勝負できる状況になかった」。次こそ力勝負をしたい。そんな気持ちが出ていた。

　――緊張したか。

　「最初にマウンドに立った時は落ち着いて周りも見えていたが、体がすごく勝負に行きたくて体と精神がアンバランスな状態だった」

　――制球が悪かったが。

「ストライクも入らない状況だったので、気持ちで粘ろうと思った。味方の打線がいいので、何とかゼロを並べれば勝利が来るんじゃないかと思っていた」

　――イチローに打たれたが。

「理由は２つ。イチローさんは、もともとすごい選手だし、きょうについては綱渡りの投球だったので、誰に打たれても当然」

　――メジャーの舞台に立った感想は。

　「（メジャーの選手の）力量が分かり、自分の求めている（力と力の勝負ができる）場所に来ているという気持ちはあるが、まだ雰囲気がつかめない。慣れていけば自分のものになっていくだろう。何より今日はファンが盛り上げてくれた」――ゲームセットの瞬間は。「うれしかったというか、開幕してから何回か勝っているのをベンチで見てますけど、その時と同じで、勝って良かったという気持ち」

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