成城コルティの雑貨ショップで、しゃれた扇子を見つけました。開くと団扇のように円形になるデザインで、レース生地が張ってあり黒と白がある。透け感の感じで絶対黒がいい!と思ったのだが黒は展示用の1本しか残っておらず、今回は見送りました。

「このところ暑いので、扇子は毎日何本も売れるんです」とはお店の弁。デザインからして、若い子も扇子を使うようになったのね。

ところで渋谷の繁華街など行くと、女子高生などが持って歩いている小さい扇風機、あれは何?「扇風機で空気をかき回しても温度は下がらない」とは小学校の理科の実験でやったはず。体の回りの、多少温度が高い空気を飛ばすだけ違うかもしれないが、それでも屋外で歩きながら小さな扇風機をかざしてそんなに涼しいとは思えない。何よりかっこ悪い…自撮り棒が思い出されます。中国、韓国が発祥と聞いてなんとなく納得がいった。

学生なら文化祭やご当地夏祭りの団扇が宣伝を兼ねていい感じになるし、OLさんならもらいものの扇子でもいいし、雑貨ショップにあるようなモダンなものならあか抜けて見えるはず。

今は香害だのなんだのうるさいので廃れたが、昭和のマダムは白檀の扇子を持っていた。白檀の香りは涼を呼ぶ効果があると知ったのは、ずっと後のアロマテラピーの講座でです。

デザインも進化しているので、若い人にもっと扇子が流行するとよいですね。

 

ゼロ戦のプロペラを作った会社の出身なせいか、実はプロペラも嫌いではない。昔の早稲田の10号館の事務室には、高い天井からノスタルジックな白いファンが下がっていたのを今でも憶えています。映画だと「インドシナ」や「愛人~ラ・マン」に出てくるようなやつ。自分の家を持ったら天井ファンを取付けたかったが、あれは相当大きな屋敷の、吹き抜けの天井でないとサマにならないのであきらめた。扇風機ならば大きなファンでゆっくり回すのが優雅でいい。

出張で気づいたが、九州はもっと冷房を効かせていた。冷房が弱くて室内でも汗を流し、外出時には個人用の小さな扇風機を自分に向けて歩いているとなんだかスケールの小さい人間になりそうです。