毎年この時期に実施する「野川河床整備に関する川づくり説明会」(東京都第二建設事務局主催)に行ってきました。

半分強が自然保護団体の常連さんとはいえ、18時開始でも30人ほど集まります。

 

懸案事項になっている、神明橋右岸(喜多見側)付近にあるオオシマザクラの維持が今年も話題の中心に。この桜、ときには大量のシラサギが止まって“ダーウィンが来た”映像のような眺めに、また水面にかぶるような樹形でありその足元は魚付林(うおつきりん)となって多くの魚類が生息しているとのこと。

しかし樹齢推定50年のこの桜も、毎年の樹木医の診断によればそろそろ倒伏の危険がある。

地元の保存団体が取り木をして苗を育てており、この木が寿命を迎えても河道内(河原)に苗を植えようという計画があったが、それも治水安全のため取りやめになると、今回発表がありました。地元自然愛好家にはうれしくない方向でしょう。

木が寿命を迎え枯れていくのもまた自然で、いそくみ個人的には無理な延命はしないほうがよいと考えています。が、その木が元気なうちに種を落とし、いくつかはまた川岸の若木として成長していくはず。それを、水害対策のために撤去してしまうのは人間の都合ですね。

川岸に生えた木が、川面に樹影を落としているのは幻想的で美しい。

堤防の上の遊歩道に整然と作られた並木道とは全く趣が違います。

どなたかが発言していたが「自然保護と防災の両立」。これが、自然を愛ずる世田谷でのキーワードとなるでしょう。

 

さて、川をなるべく自然のかたちで残し、かつ豪雨時の氾濫を防ぐために「調節池」(ちょうせつち)という設備があります。

普段は緑地やグラウンドとして使用し、豪雨時には貯水池となる窪地…これを世田谷区に早期設置できないか、考えてみたいと思います(続く)