かしわ記念
ゴール前猛追した内田博幸カネヒキリだったが及ばず、エスポワールシチーに先着を許した。
鞍上佐藤哲三Jのファインプレーが光るレースだった。
道中はカネヒキリを見る位置、中団のポジション。
最終コーナー手前で、左右包まれ気味のカネヒキリをよそ目に一気に大外をまくって進出。
カネヒキリの外の外からフタをし、さらに直線入り口ではカネヒキリの目の前に躍り出て猛スパート!
出し抜かれた内田博幸には、果たして挽回する自信があっただろうか?
地方出身ジョッキーだからこそ「この差は致命的」と瞬時に悟ったのではなかろうか・・・
300メートル程度の直線では、始動エンジンが遅いカネヒキリには難しいかもしれない。
こんな光景を見たことがある。
もう3年半も前のこと。
2005年の武蔵野S。
地方のGⅠを連勝しダートではまだ無敗だった圧倒的1番人気のカネヒキリ(武豊)に、初めて土をつけたのが同期のサンライズバッカスだった。
鞍上は同じく佐藤哲三・・・
このときは意図的か、かなり後方からレースをしたカネヒキリに対し、サンライズバッカスは中団から先に抜け出してセーフティーリードを奪ったのだ。
カネヒキリは次元の違う剛脚で追い上げるも2着まで。
常に陽のあたる場面にいるわけではないが、佐藤哲三という騎手は随所で渋い騎乗を見せてくれる。
カネヒキリは骨折とのこと。
全治は不明だが現役続行らしい・・・
個人的には昨年のジャパンカップダートでの脅威の復活劇に始まるGⅠ3連勝でもう十分ではないかと思う。
屈腱炎を乗り越えるに要した時間はおよそ2年。
これだけのブランクがありながら往年の勢いをも彷彿とさせる3連勝。
恐らく陣営の期待以上の成果は既に出しただろう・・・
難しいのはカネヒキリは芝での実績が皆無であること。
同じくダートで活躍した馬にゴールドアリュールがいるが、ダービー5着の実績があった。
産駒もタケミカヅチがダービー卿CTに勝つなどそこそこ名前は出てくる。
カネヒキリのダート馬としても能力は相当なものだ。
日本で低い評価に甘んじるぐらいなら、本場アメリカで種牡馬としての実力を試してもらいたい気持ちもある。
フジキセキ産駒のカネヒキリはサンデーサイレンスの孫にあたる。
アメリカから譲り受けた血を和風にブレンドしてお返しする。
血の流れとしては面白い。