ただデカイだけの曙やジャイアントシルバ。

格闘家と言うよりは“野獣”がお似合いなボブサップ。

今のところ体格だけで戦っており戦士になり切れていないチェホンマン。


同じ規格外ファイターでも、彼らとK-1グランプリ2005王者セームシュルトの共通項は「デカイ」ということだけ。それだけシュルトの力はずば抜けている印象を受けた。


213cmの万能戦士。

これがシュルトの強さを物語る。


鋼鉄の鎧を身に纏った213cm。

ちょうどミルコクロコップ(190cmぐらい)を一回りか二回り大きくしたようなイメージ。これが強くないわけがない。


さらに彼は相手に休む隙を与えず、攻撃の手を休めることなく相手を圧倒する。サップの突進&パンチも脅威だが、そこに技術はない。研究されてしまった今、当時の勢いはすっかり影を潜めてしまった。

だがシュルトは違う。素人目に見ても攻撃の形が成っていると思える。威圧してコーナーに追い詰めるだけなら曙にでも出来る。しかしシュルトはそこから俊敏なコンビネーションを発揮するのである。


極めつけはあの膝。

普通にもも上げをするだけで190cmの顔面に強烈にヒットする。

ボンヤスキーもクラウベもこれで秒殺。
クラウベはほんの少し前、シュルト相手に何もできないまま子ども扱いされていた。決して弱くないクラウベ(武蔵をKO)を全く問題にしないシュルトの圧倒的な力。その記憶がまだ鮮明だっただけに、決勝は見るまでもなかったし興味を欠いた。

もちろん総合力が圧倒的なのだろうが、判定も多いK-1で何故これほどまでの失神劇が・・。

簡単なことだ。シュルトの膝にグローブが装着されてないからだ。むき出しの鋭利な刃物は、軽く突き上げるだけで面白いように大男どもの顔面をえぐっていくのだ。


これは何もシュルトに限ったことではなく、サップもチェホンマンの膝に屈している。これ以上規格外戦士たちの膝を放っておいていいのだろうか?


膝蹴りは不要だ。危険すぎる気がする…。

無くせないなら最低でもグローブのようなもので覆い、「凶器」から「武器」にする必要があると、“スポーツ”を運営するK-1サイドには言いたい。