◆米三冠最終戦 ベルモントS(7日・ベルモントパーク・ダート12ハロン、9頭立て) 【ニューヨーク8日】日本から参戦予定だったカジノドライヴ(牡3歳、美浦・藤沢和厩舎)は、左後肢のザ石のため取消。レースの注目は、ビッグブラウンの「3冠達成」の一点に絞られたが、4コーナーで失速し、まさかのしんがり負けに終わった。優勝は、伏兵のダタラ(ガルシア騎乗)。逃げて5馬身1/4差の圧勝だった。

 歴史的快挙を期待した大観衆のため息が、スタンドに充満した。単勝オッズ1・25倍で圧倒的1番に推された2冠馬ビッグブラウン。ところが、4コーナー手前から手応えが怪しくなる。最後の直線は追うこともなく、大きく離れた最下位に沈んだ。

 スタートからかかり気味で、3番手を追走した。「行きたがっていたし、かなり神経質だった」とデザーモ。記者会見では、不安視されていた裂蹄を指摘する声も挙がったが、担当獣医は「何の異常も見られなかった」と説明した。

 78年のアファームド以来となる30年ぶりの3冠達成の瞬間を見ようと、9万4476人が詰めかけたが、快挙は夢と散った。「今でも、この馬が一番だと思っている」デザーモは結果を受け入れがたい様子だった。

 ◆カジノ山本オーナー「回避悔しい」 ○…カジノドライヴの山本英俊オーナーは、ベルモントSを観戦。直前で回避した無念さを見せながらも、今秋の米ブリーダーズカップ・クラシック(10月25日、サンタアニタパーク競馬場)へ気持ちを切り替えていた。「回避は非常に悔しかった。ただ、この馬をベルモントに連れて来るという、オーナーとしての責任は果たせたと思う。今度は、兄姉(ジャジル、ラグズトゥリッチズともベルモントSで勝利)が制覇していないレースを勝ってもらいたい」と話した。

 ◆カジノは静養に努める 9日日本へ出発 ○…8日、カジノドライヴは、ベルモントパーク競馬場に隣接する厩舎内で静養に努めた。歩様をチェックした藤沢和調教師は「まだ踏み込みが弱いが、痛がっていないし、レントゲンは撮らなかった。輸送にも耐えられると思う」とコメント。予定通り、現地時間の9日に日本へ向けて出発する。


出典:スポーツ報知